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探偵小説三昧

日々,探偵小説を読みまくり、その感想を書き散らかすブログ


J・K・ローリング『ハリー・ポッターと謎のプリンス(下)』(静山社)

 『ハリー・ポッターと謎のプリンス』読了。
 昨日の日記に書いたとおり、9割方の謎は解けたようだが、なんとも中途半端な展開である。三巻目あたりまでのプロット作りの巧さはどこへ行ってしまったのだろう。ハリーの終始一貫性のない性格もあいまって、必然性のないドラマが次々と流れ、しかもクライマックスの理不尽なこと。おまけに次の最終巻で本当に終わることが出来るのか、思わず心配になるほどの急展開。
 とにかく最大の問題は、登場人物たちの動機づけが、あまりに不鮮明なことであろう。なぜそこで彼らが、そういう会話をし、そういう行動をとるのか、理解&納得できないことが多すぎるのである。先ほども書いたが、ページによって別人かと思わんばかりのハリーの言動。ほとんど一巻から精神的成長のないロン。いきなり大人になってしまった感のあるジニー。意味なくもったいぶりすぎのダンブルドア。どんな説明をされようがあまりに不可解な言動しかしないスネイプ(敵であろうが味方であろうが、もはや彼の行動は説明しきれないほど矛盾だらけ)などなど、気になるところを挙げるときりがない。ここまで来たからには最後までつきあうつもりだが、頼むからきっちり片をつけてほしいなあ。

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sugata

Author:sugata
ミステリならなんでも好物。特に翻訳ミステリと国内外問わずクラシック全般。
四半世紀勤めていた書籍・WEB等の制作会社を辞め、2021年よりフリーランスの編集者&ライターとしてぼちぼち活動中。

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