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 来週、ちょっとした資格の試験を受けるため、本日は自宅でのんびりと受験勉強。で、早々に飽きてきたため(苦笑)、昼飯がてら新刊書店で二冊ほど買い物。

 ひとつは新訳で登場したセバスチアン・ジャプリゾの『シンデレラの罠』。「私はこの事件の探偵であり、証人であり、被害者であり、犯人なのです」という、煽りまくりのキャッチが秀逸なフランスミステリの古典だが、その割にはたぶん読んでる人は少ないはず。
 まあ、フランスミステリは心理描写や思わせぶりな描写が地の文で入ってくることも多く、基本的に読みやすいとはいえないので、仕方ないところもあるだろう。それがアルテの翻訳でも知られる名手、平岡敦の訳で蘇るのだからこれは買い。食わず嫌いの方はこの機会にぜひどうぞ。

 もう一冊は『この謎が解けるか? 鮎川哲也からの挑戦状!1』。タイトルからだとミステリクイズ集あたりを連想しそうだが然にあらず。これはラジオやテレビの推理ドラマのシナリオ集。
 この手の作品集が出るミステリ作家なんて片手で数えるぐらいしかいないと思うのだけど、鮎川哲也もついにそうした作家の一人になったということか。しかもこれ「1」だから、次もあるということだよね。ファンとしては嬉しいかぎり。
 なお、版元はおなじみ出版芸術社。価格を抑えるためだろうが、これまでの同社の鮎哲本と違ってソフトカバー、判型も小さめである。ま、それはいいんだけど、カバーと背のデザインはもう少しなんとかできなかったかなぁ。派手にしたいのか渋くしたいのか、方向性が見えない上に視認性悪すぎである。せっかくの新刊なのに……。



 書店のあとはDVDのレンタルショップに立ち寄り、ジョナサン・リーベスマン監督の『世界侵略: ロサンゼルス決戦』を借りてさっそく視聴。
 なぜかこの数年、ハリウッドではやたらと人気のあるエイリアン地球侵略もの。いい加減、観る側も飽きそうだが、管理人のような特撮ファンは毎度懲りずに観てしまうわけである。
 ストーリーはいたってシンプル。ある日突然、謎の未確認飛行物体が地球に飛来し、中から出現した異星人が世界中の大都市を一斉に攻撃する。各国の都市が次々と陥落するなか、ロサンゼルスではナンツ二等軍曹をはじめとする海兵隊の一行が、警察署に取り残された民間人を救助するため出発することになった……。

 悪くない。
 人類vs異星人というSF設定ではあるが、そのテーマや演出、手法はほぼ戦争映画のそれである。ぶっちゃけ荒唐無稽なのは異星人という部分だけで、それ以外は普通の戦争映画となんら変わりはない。
 それをより鮮明にしてくれるのが、ハンディカメラを多用したドキュメンタリー仕立ての見せ方。『クローバーフィールド』などでも使用されたが、あちらは本当にハンディカメラという設定だったけれど、こちらはあくまで効果優先。加えて戦争そのものの描き方も局所的かつリアル志向なので(死体の扱いとか)、その臨場感や息苦しさはなかなかのものだ。

 ただ、リアル志向とは書いたが、後半に入ると、主人公たちが敵を倒さなければならないという必要性があるため、それはかなり犠牲になる。敵の弱点の見つけ方とか、司令部への攻撃とか、どんどんムリヤリ感が強くなっていくのは残念。作品の良さを自ら消すとは何とももったいない限りだが、これがハリウッドの呪縛というやつか。

 なお、この手の映画への批判としてよくある、兵士の勇気や愛国心などを強調されることについては、今さらどうこう言うつもりはない。根底を流れるのはおなじみ”アメリカ万歳”だとしても、そのテーマ自体に非があるとは思わない。それは一面では真実でもあるし、自国で公開される娯楽映画として爽快感を求めることは、決して無下にはできない要素だろう。
 むしろ海兵隊の各人に割り当てられたドラマ、例えば退役寸前のベテランと新米指揮官の微妙な関係などは、もっと掘り下げてほしかったところだ。アクションを削るわけにはいかないのだろうが、尺的には他のエピソードも中途半端になってしまうし、ちょっともったいない。

 かようにいろいろ残念なところもある映画なのだが、とりあえずすごく真面目に作っているのが伝わってくるのはマル。決して退屈することはないし、濃密な二時間は保証できる。

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