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山下賢章『ゴジラvsスペースゴジラ』
休日に観だめしておいた東宝特撮映画DVDコレクションの感想など。ゴジラシリーズとしては二十一作目にあたる『ゴジラvsスペースゴジラ』。監督は山下賢章で、1994年公開作品。
前作で登場した対ゴジラ部隊Gフォースが、二つのプロジェクトを進めるという設定で幕が開く。ひとつはメカゴジラを凌ぐ強力兵器MOGERAの開発によってゴジラを倒そうとするMプロジェクト。もうひとつは超能力レディ三枝未希のテレパシーによってゴジラをコントロールしようとするTプロジェクトである。
現在は南太平洋のバース島で暮らすゴジラ、そして前作のベビーゴジラから成長したリトルゴジラ。そこでTプロジェクトが実行されようとしていた矢先、宇宙から巨大な怪獣が襲来する。GフォースはMOGERAで宇宙怪獣にあたるが……。

前作『ゴジラvsメカゴジラ』の感想でも書いたが、東宝は大人向けに始めた怪獣映画を、結局、子供やファミリー向けに合わせて内容をシフトするという愚を二度も犯すことになった。本作『ゴジラvsスペースゴジラ』でも軌道修正は叶わず、前作のベビーゴジラを相変わらず妙なタイミングで起用し、凶暴なゴジラとして復活したはずの平成ゴジラは、昭和ゴジラ同様、よき父親みたいな存在に成り下がってしまっている。しかも本作では、結果的に人間の味方のような形でスペースゴジラと戦う羽目になっているのも致命的。
本来だったら1957年の『地球防衛軍』以来37年ぶりに復活したモゲラを祝うべき映画のはずなのだが(いや、そうでもないけれど)、こちらも設定上いろいろ無理がありすぎて辛い。とりあえずあれで宇宙いっちゃだめでしょ。
加えてスペースゴジラの誕生した原因も気が狂っているとしか思えない説明がなされており、少しは相手を上手く騙そうという気はないのかと問い詰めたいくらいだ。ついでにいえば地球へ来た理由やリトルゴジラを捕まえた理由もほぼ意味不明である。
シナリオの粗は他にも非常に多いのだが、これ以上いちいち挙げるのは止めておこう。もう十分お腹いっぱいなのである。
百歩譲ってそれなりに派手な戦闘シーン(ただしビームの撃ち合いばかりなのも辛いっちゃ辛い)を評価できないこともないけれど、それならそれで戦闘を全面に押し出し、リトルゴジラのパートは一切なくしてほしかったところだ。
唯一、見どころとして挙げておきたいのは、人間ドラマの方。ゴジラ映画としては画期的だが、二組の男女の恋愛ドラマを加味しているのである。ただ、その演技やシナリオがあまりに時代がかっており、これはもしかしたらパロディか何かなのかと疑問に苛まれつつ観る羽目になったことも付け加えておきたい(笑)。
前作で登場した対ゴジラ部隊Gフォースが、二つのプロジェクトを進めるという設定で幕が開く。ひとつはメカゴジラを凌ぐ強力兵器MOGERAの開発によってゴジラを倒そうとするMプロジェクト。もうひとつは超能力レディ三枝未希のテレパシーによってゴジラをコントロールしようとするTプロジェクトである。
現在は南太平洋のバース島で暮らすゴジラ、そして前作のベビーゴジラから成長したリトルゴジラ。そこでTプロジェクトが実行されようとしていた矢先、宇宙から巨大な怪獣が襲来する。GフォースはMOGERAで宇宙怪獣にあたるが……。

前作『ゴジラvsメカゴジラ』の感想でも書いたが、東宝は大人向けに始めた怪獣映画を、結局、子供やファミリー向けに合わせて内容をシフトするという愚を二度も犯すことになった。本作『ゴジラvsスペースゴジラ』でも軌道修正は叶わず、前作のベビーゴジラを相変わらず妙なタイミングで起用し、凶暴なゴジラとして復活したはずの平成ゴジラは、昭和ゴジラ同様、よき父親みたいな存在に成り下がってしまっている。しかも本作では、結果的に人間の味方のような形でスペースゴジラと戦う羽目になっているのも致命的。
本来だったら1957年の『地球防衛軍』以来37年ぶりに復活したモゲラを祝うべき映画のはずなのだが(いや、そうでもないけれど)、こちらも設定上いろいろ無理がありすぎて辛い。とりあえずあれで宇宙いっちゃだめでしょ。
加えてスペースゴジラの誕生した原因も気が狂っているとしか思えない説明がなされており、少しは相手を上手く騙そうという気はないのかと問い詰めたいくらいだ。ついでにいえば地球へ来た理由やリトルゴジラを捕まえた理由もほぼ意味不明である。
シナリオの粗は他にも非常に多いのだが、これ以上いちいち挙げるのは止めておこう。もう十分お腹いっぱいなのである。
百歩譲ってそれなりに派手な戦闘シーン(ただしビームの撃ち合いばかりなのも辛いっちゃ辛い)を評価できないこともないけれど、それならそれで戦闘を全面に押し出し、リトルゴジラのパートは一切なくしてほしかったところだ。
唯一、見どころとして挙げておきたいのは、人間ドラマの方。ゴジラ映画としては画期的だが、二組の男女の恋愛ドラマを加味しているのである。ただ、その演技やシナリオがあまりに時代がかっており、これはもしかしたらパロディか何かなのかと疑問に苛まれつつ観る羽目になったことも付け加えておきたい(笑)。
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