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 引き続き映画DVDの消化に努める。本日は『インモータルズ -神々の戦い-』。
 監督は素晴らしい映像美で知られる『落下の王国』を撮ったターセム・シン、制作は男臭さ満載でペルシャ戦争を描いた
『300』のジャンニ・ヌナリら。この二つの方向性が合わさって生まれたのが『インモータルズ -神々の戦い-』といってもいいだろう。ぶっちゃけ見るべきところは、美しい闘いのシーンのみといってよい。

 かつて天空において、神々同士の間で闘いがあった。ゼウス率いるオリンポスの神々は闘いに勝利し、邪悪な神々・タイタン族はタルタロス山の地底に封印された。
 それから数千年の時が流れ、地上では人間が繁栄する古代ギリシャの時代。タイタン族を蘇らせ、世界を支配しようとする男ハイペリオンが現れた。タイタン族の封印を解くといわれるエピロスの弓を求め、その鍵を握る巫女を追い、ギリシャ軍を圧倒し、殺戮の限りを繰り返す。
 彼の暴挙を止めるため、天空の神ゼウスはある一人の男を選び出した。後の世に知られるテセウスである。

 なんともバランスの悪い映画である。
 ストーリーが単調過ぎるうえに御都合主義のオンパレードがまず辛い。そもそも万能の神を直接ストーリーに絡ませると、何でもありになってしまうことは目に見えており、ここかしこに安易なストーリー補正がかかってしまう。本作でもテセウスが窮地に陥る度に神様がサポートするものだから、観ている方としては緊張感のかけらもない。そのくせテセウス以外の人間には冷淡。この辺りのいい加減さも理解しにくいところだ。
 ただ、こういった不明点にも、実はそれなりの設定があるわけで、そういう胆の部分をきちんと中で説明していないから、ますます御都合主義に見えてしまうわけである。

 一方でビジュアル面は素晴らしい。鍛え上げられた神々やテセウスの筋肉、それらが躍動する格闘シーンは最大の見せ場である。ちなみにテセウスは『マン・オブ・スティール』で次期スーパーマンに確定しているヘンリー・カヴィル、ハイペリオンには『レスラー』で新境地を見せたミッキー・ローク。この二人の存在感はさすがで、ラストの闘いのシーンもなかなかいい。
 ただ、二人を上回るかっこよさが、それと平行して描かれるオリンポスの神々とタイタン族の闘いである。スローやハイスピードを組み合わせ、動きにメリハリをつけることで観る者のイマジネーションをかきたてる手なのだが、これが実に効果的で素晴らしい。いやあ、このシーンだけを延々観ていたい気分である。ただ、少々、血が飛び散りすぎるのでグロが苦手な人は要注意だが。

 というわけで長所短所が実に明確な『インモータルズ -神々の戦い-』。諸手を挙げておすすめできる代物ではないが、アクション映画にこだわりがある人なら、というところか。




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