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 論創ミステリ叢書がとうとう第6期をスタートさせた。しかも判型をこれまでの変型からA5判に変更したため、Twitterでも話題になっていた。まあ、管理人的にはこれまでの判型にそれほどこだわりがなかったので(なんせ通勤読書が大変だし)それほど気にはならない。まあ、これまでも背のデザインを途中で変えているし、むしろそっちが気になるぞ(笑)。
 ちなみに一発目は『守友恒探偵小説選』だが、お次は大下宇陀児が控えている。しかも「I」という番号付きなので、これは当然「II」もあるということ。大下宇陀児は全集が出ても買いたいぐらいなので、うう、待ち遠しいなぁ。


 山本迪夫監督による「血を吸う」シリーズ三部作。そのトリを務める『血を吸う薔薇』をDVDで観る。
 シリーズ一作目の『幽霊屋敷の恐怖 血を吸う人形』が1970年、二作目の『呪いの館 血を吸う眼』が1971年、本作は1974年の公開と少し間が空いているが、実はこの前年、あのオカルト映画の大傑作『エクソシスト』が公開されており、それに影響されて三作目が作られたのではと言われている。真偽のほどは知らないが、本作は前の二作と少々、雰囲気が異なるだけに、そういうこともあるのかと思わせる一作ではある。

 八ヶ岳の山奥にある全寮制の女学園に赴任してきた白木。だが迎えてくれた吉井教授の話によると、二日前に学長夫人が亡くなったばかりだという。学長と会った白木はお見舞いの言葉をかけるが、学長は早々にその話題を切り上げると、白木を次期学長として迎えたいと語る。
 その晩から白木の前で起こる不思議な事件。やがて白木は校医の下村から、この地に伝わる伝説の話を聞き、さらには前任者の秘密を耳にする。そして遂には下村も失踪、白木は残された下村のカメラのフィルムを現像し、学長の怖ろしい秘密を知ることになる……。

 血を吸う薔薇

 これまでのどちらかというと静かな怖さから離れ、かなりアクティヴな展開と演出で見せてくれる。また、エログロをより強化しているのは、先述したように『エクソシスト』の影響が大きいのだろう。
 まあ、今の尺度でいうとエログロといってもかわいいものだが、こういうのは怖さも一緒で、抑え気味の方がかえって効果的だったりする。だからある意味、当時よりも今観るほうがむしろ刺激的といえるかもしれない。

 役者陣で特筆すべきは岸田森。前作に続き、本作でも見事な吸血鬼を演じている。前作の評判がかなり良かったからか、前作を遙かに上回る立ち回りで熱演。ただ、吸血鬼メイクもいいのだが、普通の状態で静かに語る彼の姿のほうがむしろ怖い。こういうのは役者が持っているオーラとしか言いようがないのだが、この二作で終わったのが実に惜しまれる。
 ちなみに美女軍団も前作よりパワーアップし(苦笑)、エロチック方面を全面的にバックアップ。目立つのはやはり桂木美加。『帰ってきたウルトラマン』の丘ユリ子隊員役の女優さんは本作でも健在である。ちょっと珍しいところでは後年ジャズヴォーカリストとしてデビューする阿川泰子も冒頭から柔肌をご披露している。
 メインキャストではないのだが、唯一、三部作すべてに出演している二見忠男は、ちょい役なんだが相変わらず存在感抜群。本作も白木演じる黒沢年男にバス時刻を教えるというシーンだけなのに、なぜ、それをああも胡散臭く見せることができるのか。これもひとつの才能なんだろうなぁ。

 ということで「血を吸う」シリーズは本作にて完結。シリーズとはいってもそれぞれ独立した作品なので、興味を持たれた方は完成度の高い『呪いの館 血を吸う眼』あたりから入るのがよいかも。




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