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 仕事がけっこう慌ただしく、読書が進まないうえに体力も下降気味。本日は久々にゆっくり完全休養することにして、午後からビールを飲みつつダラダラDVDを観たり、パラパラ本を読んだり。読書は二冊同時進行中で、どちらもボリュームがあるので遅々として進まず。決してつまんないわけではなく、どちらも楽しんでおりますゆえ、感想は後日。


 さて、本日はDVDの感想など。ものは平成モスラ・シリーズの掉尾を飾る第三弾『モスラ3 キングギドラ来襲』。監督は米田興弘、公開は1998年。
 キングギドラの来襲を、あの有名な「ノストラダムスの大予言」の“空から大王が降ってくる”というフレーズになぞらえる導入部は、1998年という時代ならでは。まあ、それが本編に活かされているわけではなくて、あくまで導入部だけの話だが(笑)。

 モスラ3キンク#12441;キ#12441;ト#12441;ラ来襲

 まあ、そんな導入で地球に現れたキングギドラだが、これまでの設定とはずいぶん様相が異なっている。なんと地球で生態系の上位にくる生物を捕食し、地球を滅ぼそうとするのである。一億二千年前の恐竜絶滅もキングギドラの仕業というからいやはやなんとも。
 で、現代の地球では当然ターゲットが人間であり、キングギドラは子供を掠っては、富士の樹海に作り出したドームに閉じ込めてしまう。子供たちを一気に食らうことでより自らのエネルギーを高められるのだという。そんな危機的状況にインファント島のフェアリー、エリアス姉妹はモスラを呼び出して戦わせる。しかし、いかんせん相手が悪い。相手は宇宙最強の呼び声高いキングギドラだ。モスラは戦いに敗れるばかりか、エリアス姉妹の一人、ロラもキングギドラにマインドコントロールされる事態となる。キングギドラどんだけスキル高いのか(笑)。
 ところ変わって主人公の少年がいる。この少年が登校拒否児童という、これまた時代を反映した設定だが、彼は登校拒否をしていたおかげでキングギドラに掠われずにすむ。そしてエリアス姉妹のかたわれモル、そしてキングギドラに敗れたモスラと出会うわけである。
 ここから物語は急展開。このままでは強大なキングギドラに勝てないため、モスラは恐竜を滅ぼした時代、一億二千年前へ飛び、幼体のキングギドラと戦うというのだ。しかし、過去へ飛べば現代へ戻る手段はない。それでもモスラはゆく。しかもモルはモスラを過去へ送ることでエネルギーを使い果たし命を落とす。いまわの際、モルはロラのマインドコントロールを解くよう少年に依頼する。「僕は学校にも行くことができないのに……」尻込みする少年。だがモルは、登校拒否が少年のもつ美しく繊細な心ゆえのことであると諭し、息を引き取る。少年は子供たちが閉じ込められたドームへ向かい、モスラは過去で幼体キングギドラと激突する。その結末やいかに。

 実はここから、さらに物語は二転三転。個人的にはストーリーは(破綻が大きいけれど)決して嫌いではない。しかし、何というかなぁ。制作者たちのやりたいことはヒシヒシと伝わってくるのだが、なんでそれがちゃんと映像になって表れてこないのか。
 例えば本作のテーマは、平成モスラシリーズならではの家族愛、絆である。これについては人間ドラマもさることながら、平成モスラシリーズのカギを握る存在として描かれてきたエリアス三姉妹によってより強調されている。前作でエリアス姉妹が二人ではなく、悪役ベルバラもまた姉妹であることが明らかになったわけだが、本作ではそれぞれ個性の異なる彼女たちが心をひとつにすることで、より大きな力を得ることになる。
 それはいいのだけれど、主人公の少年のドラマがそれなりに重くなければならないのに、これが実にアッサリとしか描かれない。小学生の登校拒否ですよ登校拒否。それなりの事情が当然あるはずなのに、一切を説明抜きで家族もそんなに心配してないし、子供も苦悩を抱えているようにはまったく見えない。もちろんわざわざ生臭い話にする必要はないけれど、蓋をしすぎるのも考えものだ。子供向けに作っておきながら、結局は子供をなめている。子供の側に踏み込んでいく姿勢が皆無で、歯がゆくて仕方がない。
 特撮も中途半端。最もひどいのは恐竜の時代である。本作の五年前にあの『ジュラシックパーク』があるというのに、このちゃちさは何なんだ。誇張でも何でもなくソフビの人形レベルで、ちょっとこれは噴飯もの。キングギドラやモスラで予算を使い果たして恐竜まではフォローできなかったというのか。こんなものしか出来ないなら、最初から恐竜時代などやってくれるなと言いたい。
 あと、これは平成モスラ全般にいえるのだが、飛行シーンの不自然さが一向に改善される気配がないのもなんだかなぁ。制作側も自然に見えないのはわかっていると思うのだが、こういうところをきちんと見せるだけでも、ずいぶん印象は変わってくるのにねぇ。

 日本の特撮映画というのは本当に不思議な存在である。制作者たちの志、技術、お家の事情などが時代によってアンバランスに入り混じり、その結果、摩訶不思議なものが出来上がる。東宝に限っていえば『ゴジラ』の呪縛といってもいいかもしれない。
 これからもファンを歓喜させ悶絶させていく作品ができあがるのだろうが、まあ、こちらもそれを承知で見続けるしかないんだろうなぁ。





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