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 『ゴジラ×メガギラス G消滅作戦』を観る。2000年公開。ゴジラ映画としては第二十四作目、第三期=ミレニアムシリーズとしては二番目の作品にあたる。
 監督の手塚昌明はこれが監督デビュー作。後に『ゴジラ×メカゴジラ』や『戦国自衛隊1549』なども監督することになる人だが、面白いのは、監督をやるようになってからも監督補佐としてリメイク版『犬神家の一族』にも参加しているのである。特撮畑が多いせいか、仕切り、特に大きな映画のやりくりに定評があるようで、その腕を買われてのことだったようだ。

 ゴジラ×メガギラスG消滅作戦

 それはともかく。
 本作はまず設定がふるっている。登場するゴジラは1954年に東京を襲撃したゴジラ、つまり第一作目の『ゴジラ』なのだが、そのゴジラは死んでおらず、その後もたびたび日本を襲っているという設定なのだ。しかも東京を襲撃されたことで、首都は大阪へ遷都されており、加えて原子力発電所を狙うゴジラに対し、日本は原子力発電所を永久放棄したことになっている。
 なんとまあ、今の世相を反映したかのような設定。
 ただ、残念ながら設定は面白くとも、それがストーリーの面白さに直結しているわけではない。結局、舞台はほとんどが東京だし、作中でゴジラが狙うのは核燃料ではないにせよ代替品のエネルギーである。普通に東京を首都にして、ゴジラが原発を狙う話でもまったく問題はないのである。このあたり、正直、作り手の意図がまったく見えない、というか意図がそもそもあったのかどうかも疑問だ。

 特撮部分は相変わらず物足りないが、新怪獣のメガギラス登場の展開は悪くない。
 ゴジラを始末するはずの装置が時空に亀裂を起こし、そこから古代の昆虫が侵入する。それはかつて『空の大怪獣ラドン』に登場したメガヌロンの成虫、メガニューロである。そのメガニューロの産んだ卵が渋谷に持ち込まれたことで、事態は悪化する。多くのメガヌロンが孵化し、それが成虫化してメガニューラ、さらにはクイーン化してメガギラスとなってゆく過程はそれなりに説得力もある。
 ちなみに造型は、昆虫型怪獣ということもあって可もなく不可もなく。そこそこのデザインにはなるのだが、昆虫のレベルを脱していないというか。

 致命的なのは、全体的に感じる絵空事っぽさである。軽さといってもよい。
 その原因のほとんどを占めているのが、防衛庁内の組織「特別ゴジラ対策本部」である。この組織の描写や各種ギミックがなんとも中途半端にSF的なデザインばかり。いってみれば非常にウルトラマンっぽいのだ。他の科学は普通の発達を遂げているだけに、この落差が妙な感じだ。せめて自衛隊も多めに出動させておいて、一部そういう兵器が出てくるのなら、もっと自然に見えるのだろうが。
 怪獣映画に関しては、できりだけリアルな嘘をついてほしいという管理人の考えなのだが、なかなかそう思っている方々は多くはないようで、本作もその例にもれない。
 そんなわけで本作もまた期待はずれ。設定や狙いは決して悪くないだけに、なんとも惜しい。





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