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 そろそろ年末のミステリランキングの季節が近づいてきたが、その前に文藝春秋から『東西ミステリーベスト100』という本が出た。題名のとおり、日本と海外それぞれのミステリベスト100をアンケートによって選出したもの。
 文春は年末ベストテンの延長というか関連企画として不定期にベスト100を行っているが、前回は1986年に文春文庫で刊行されている。あれからもう二十六年も経っていることになるが、いやあ、ついこの前に読んだ気もするのだが、月日の経つのは早いもので。そりゃこっちも年取るわけだなぁ。

 東西ミステリーベスト100

 ランキングの内容についてはいろいろ思うところもあるが、こういうのは時代や投票者によってけっこう変わるので、あまり気にしても仕方ない。ただ、新しい作家が入るのはけっこうなのだが、投票者が投票するに足るだけの本を読んでいるかどうかは怪しいところだ。結局、毎年のランキングに入るような話題作と人気のある作品、昔からの定番ばかりしか残らない危惧はある。
 例えば管理人が最近読み出した梶龍雄なんてのは、あれだけみんなが褒めているのに一作もランクインしてないし、海外ものでもニコラス・ブレイクが一作も入っていないのはどうかと思う。せめて『野獣死すべし』は入ってもおかしくないんだけどねぇ。
 それこそ1957〜1987年あたりの作品は、本格のみならず全般的に不利なんだよね。もっと具体的にいうと、週刊文春のベストテンが始まって以降の作品はかなり有利になっているのではないだろうか。

 とまあ愚痴っぽく書いてはみたが、本書の出来自体はかなりいい。特に凝ったことをしているわけではなく、ベスト100に選ばれた作品の紹介と、あとは座談会やらインタビュー、コラムなど。
 では何がいいのかというと、このベスト100に選ばれた東西202作品(同点の作品があるのでジャスト200にはなりません)すべてについて、粗筋と蘊蓄が載っているのである。
 そう、話は極めて単純。作品に興味を持ってもらえるように、丁寧に作品を紹介しているだけのことなのだが、これが実に重要なのだ。なるほど順位は確かに気になるが、それがどんな内容かわからなければ、なかなか読もうという気にはなるまい。ガイドブックの絶対的使命としてこれを外してはならないわけで、『東西ミステリーベスト100』はそこを疎かにせず、さらに偏愛コメントやインタビュー等でダメ押しする編集方針がとにかく素晴らしい。おそらく向こう十年ぐらいはこれを指標にしてミステリを読んでくれる人が増えると思うぞ。

 先日紹介した『横溝正史 全小説案内』は、資料性は高いのだけれど、こういうところがまったくわかっていないんだよなぁ。

テーマ:評論集 - ジャンル:本・雑誌





ポール・ブリッツさん

いや、ニコラス・ブレイクは入ってないですね。1985年のリストには『野獣死すべし』が58位で入っていますから、そちらと勘違いされたのでは? 一瞬、自分の本だけ入っていないのかと焦りました(笑)。

>あれから20年、未だに全冊読んでないんだよな、このブックガイド……。

1985年版でしたら、私はディック・フランシスとかグレアム・グリーン、ドナルド・A・スタンウッドあたりが残ってます。競馬物とスパイ物は好みの問題で、後回しになっちゃうんですよね。あ、でもスタンウッドの『エヴァ・ライカー〜』は持ってるんで、次に読むのもいいかも。
【2012/11/26 22:41】 URL | sugata #8Y4d93Uo[ 編集]

あれ? 「野獣死すべし」は、海外版の51位あたりに入っていませんでしたか?

この本を読んで、「野獣死すべし」を古本屋を足が棒になるまで歩き回って探した懐かしい高校生時代が蘇るのですが(^^)

あれから20年、未だに全冊読んでないんだよな、このブックガイド……。撃墜マークとかつけたりしていたのに(^^;)
【2012/11/26 18:16】 URL | ポール・ブリッツ #0MyT0dLg[ 編集]















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