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 『週刊文春』の12月13日号は毎年恒例の「ミステリーベスト10」掲載号である。ミステリのベストテン関連ではもっとも歴史があるのだが、その結果は常にベタで、話題作や巨匠、人気作家が圧倒的有利というのが、文春版ベストテンの大きな特徴。だが、今年の海外部門はちょっと面白い結果になっていた。
 なお、このベストテンもすでに週刊文春のサイトで結果が公表されているので、「このミス」同様、特に気にすることなく掲載しておく。

 週刊文春12月13日号

1位 スティーヴ・ハミルトン『解錠師』(ハヤカワミステリ)
2位 アーナルデュル・インドリダソン『湿地』(東京創元社)
3位 スコット・トゥロー『無罪 INNOCENT』(文藝春秋)
4位 ジェフリー・ディーヴァー『バーニング・ワイヤー』(文藝春秋)※
5位 デイヴィッド・ピース『占領都市 TOKYO ZERO YEAR II』(文藝春秋)
6位 モーリス・ルブラン『ルパン、最後の恋』(ハヤカワミステリ)※
7位 チャイナ・ミエヴィル『都市と都市』(ハヤカワ文庫)※
8位 ジェフリー・ディーヴァー『追撃の森』(文春文庫)
9位 フェルディナント・フォン・シーラッハ『罪悪』(東京創元社)
10位 カルロス・ルイス・サフォン『天使のゲーム』(集英社文庫)※

 気になるトップはスティーヴ・ハミルトン『解錠師』。ちなみに2位がアーナルデュル・インドリダソンの『湿地』で、早川書房の「ミステリが読みたい!」とは逆の結果である。どうやら今年のベスト1はこの二作がツートップで争うという結果になっているようだ。

 さて、上で※をつけた作品に注目してもらいたい。これは「ミステリが読みたい!」のベストテンでランクインしていなかった作品を示している。このうちディーヴァーの『バーニング・ワイヤー』は対象期間の問題で今年の「ミステリが読みたい!」にそもそも該当していないわけだから、あまり気にする必要はない。
 面白いのはルブランの『ルパン、最後の恋』とチャイナ・ミエヴィル『都市と都市』のランクインだろう。ルパンはかなり話題作になったので、話題作や巨匠に弱い文春ベストテンの体質がもろに表れた感じだが、不覚にも『都市と都市』のランクインはまったく予想できなかった。
 これはSFミステリなので文春ベストテンの方向性と合わないし、版元が早川ということもあるので、入るなら絶対「ミステリが読みたい!」の方だと思っていたんだよな。あるいは『このミス』。それがまさか文春でランクインするとは。
 知らないでこの結果をみたら、おそらく文春と早川の結果を逆と思う人も多いのではないだろうか。今年に関しては、この二作がランクインしていることで、文春のベストテンの方が面白く感じた次第である。とりあえず『都市と都市』はネットでの評判は良かったものの個人的にはノーマークでもあったので、やはり読んでおくべきか。

 あ、ちなみにデュレンマット、ネレ・ノイハウス、レオ・ブルース、クェンティンはまたもアウトである。ううむ、ノイハウスは客観的に見てもベストテン級だと思うのだがなぁ。

テーマ:推理小説・ミステリー - ジャンル:本・雑誌




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