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探偵小説三昧

日々,探偵小説を読みまくり、その感想を書き散らかすブログ


金子修介『ガメラ2 レギオン襲来』

 『ガメラ2 レギオン襲来』をブルーレイで視聴。先日、購入した『ガメラ トリロジー 平成版ガメラ3部作収録 Blu-ray BOX』の一本で、平成ガメラシリーズの第二作。監督はもちろん金子修介。公開は1996年。

 前作から一年後。北海道に流星群が降り注ぎ、その隕石のひとつの落下現場が発見されたにもかかわらず、その場から隕石が発見できないという不思議な事件が起こる。
 一方、札幌市青少年科学館の学芸員である穂波碧は、流星群と同じタイミングで北海道に現れたオーロラの調査を進めていた。やがて隕石を調査する自衛隊の渡良瀬佑介二等陸佐らと出会い、彼女は隕石が自力で移動したのではないかという仮説を披露する。その目的地は札幌。
 その仮説を立証するかのように、札幌の地下鉄で全長三メートルはあろうかという巨大な虫の大群が出現。同時に高さ数十メートルもある奇怪な草体が発生した。
 流星群の正体は判明したが、事態はさらに深刻化する。虫と植物は共生関係にあることが判明し、虫はシリコンを餌として、その分解過程で発生した高濃度の酸素で草体を育てている。その高濃度酸素の環境下では、地球の大部分の生物は生存することができない。さらに驚くべきことに、草体は種子を宇宙に放って繁殖するものと推測されたが、その際の爆発力は札幌を壊滅させるほどのパワーを持っているというのだ。
 草体を一刻も早く爆破しなければならない。自衛隊の準備が進む中、三陸沖では海中を移動する巨大な物体が確認された……。

 ガメラ2 レギオン襲来

 第一作の『ガメラ 大怪獣空中決戦』もよかったが、これも実によろしい。自衛隊が怪獣という災害(ガメラも含め)に対し、どのように対処していくのかという、大人のためのファンタジーをきっちりと作り上げている。
 「ガメラは正義の味方」という、怪獣映画としてはどうなんだ?という大前提に対しても、前作のとおり古代文明によって生まれた地球を護るための超生物兵器という設定が効いているし、そこを踏まえた上でなおかつ人間とガメラの対立構造も描いているので、とにかくフォローがしっかりしている。
 もちろん細かい矛盾やアラはいくらでも突けるのだが、それは怪獣映画に限った話ではないのでまあ許せる範囲。実をいうとファンタジーをファンタジーとして捉えぬまま、馬鹿正直に怪獣映画をやりすぎると三作目の『ガメラ3 邪神覚醒』のようなことになってしまうのだが、それはまた別の機会に。

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Comments

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ポール・ブリッツさん

>主演怪獣よりもカッコよく、主演怪獣よりも目立ってどうするんだ自衛隊!(笑)

怪獣映画において、怪獣は絶対的に重要な存在ではありますが、実はテーマが怪獣そのものであることは少なかったりしますから、こういうのもいいんじゃないでしょうかw

>ガメラシリーズの一作としてではなく、自衛隊とレギオンが戦うだけの完全オリジナルにしたほうがよかったのではないか、と思うであります。

レギオンと自衛隊のタイマン映画は、確かに見てみたいですね、っていうか、怪獣が単品で登場する映画って、実はもう長い間作られていないんですよね。『ゴジラ』をのぞけば、たぶん『宇宙大怪獣ドゴラ』までさかのぼるはずです。個人的にはそういう方が好きなんで、ぜひ金子監督あたりに撮ってもらいたいものですが。

Posted at 00:46 on 01 10, 2013  by sugata

Edit

個人的にはこの2作目はちょっと辛口になってしまう(^^;)

主演怪獣よりもカッコよく、主演怪獣よりも目立ってどうするんだ自衛隊!(笑)

ガメラシリーズの一作としてではなく、自衛隊とレギオンが戦うだけの完全オリジナルにしたほうがよかったのではないか、と思うであります。

裏を返せばそれだけ自衛隊がカッコいいわけで。「イリス」でもバリバリ戦ってもらいたかったんですがねえ。トラブルさえなければなあ……。

Posted at 15:34 on 01 09, 2013  by ポール・ブリッツ

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sugata

Author:sugata
ミステリならなんでも好物。特に翻訳ミステリと国内外問わずクラシック全般。
四半世紀勤めていた書籍・WEB等の制作会社を辞め、2021年よりフリーランスの編集者&ライターとしてぼちぼち活動中。

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