- Date: Wed 20 02 2013
- Category: 映画・DVD 007
- Community: テーマ "ミステリー・サスペンス" ジャンル "映画"
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ガイ・ハミルトン『007 ゴールドフィンガー』
飽きもせずDVDで『007 ゴールドフィンガー』を視聴。
1964年公開(日本では1965年)で、監督は一、二作目を手がけたテレンス・ヤングからガイ・ハミルトンにバトンタッチ。ハミルトンは007シリーズをトータル四作撮ったが、その後も『ナバロンの嵐』や『クリスタル殺人事件』など、アクションやミステリ映画を多く手がけた監督さん。だがこの時点ではまだ若手であり、007をきっかけに大きく飛躍した人である。
今回のジェームズ・ボンドの敵は、異常なまでに金(きん)に執着する実業家、ゴールドフィンガー。もちろんただの実業家ではなく、世界中の金を手に入れるためなら手段を選ばない悪党である。
そんなゴールドフィンガーが金の密輸を行っている節があるということで、調査を命じられたボンド。マイアミでゴールドフィンガーがやっていたカードゲームのいかさまを見抜き、大損をさせることに成功。さらには賭けゴルフでもゴールドフィンガーのインチキを見破り、またも勝利を収める。
やがてジュネーブへ向かったゴールドフィンガーを追い、愛車アストン・マーチンDB5で追跡するボンド。だが、そこでゴールドフィンガーを狙撃しようとする女性と出会ったことから窮地に陥ってしまい……。

前作『007 ロシアより愛をこめて』と同様、傑作の誉れ高い一本。その時代の先端をゆく派手なアクション、ボンドカーや破天荒な秘密兵器、世界を股にかけるスケール感、次から次へと登場する美女の数々、ボンドの女好きな性格など、前作でも固まりつつあった007の要素が、本作で完全に固まったといってよい。
極端なことをいうと、以後のシリーズ作はすべてこれの繰り返しであり、焼き直し。見た目の派手さや美麗さが肥大化してゆくだけにすぎない。まあ、それでも作品によっていろいろな変化は求めているし、十分面白い作品は多いけれど、やはりこれをもってスパイアクションの嚆矢とする意見は多いようだ。
「ロバート・B・パーカーのスペンサー・シリーズは大人のためのハーレクインである」ということを言った評論家がいたが、本シリーズは正しくその偉大なる先達であろう。ハラハラドキドキと安心感が同居し、本来は物騒な物語でありながら優雅さやユーモアをも感じられるのは、撮られた時代のせいばかりではない。
見どころは何といっても、緩急をつけつつもだんだんと激しくなっていくバトルの数々。カード、ゴルフ、カーアクション、頭脳戦、軍隊、中ボスとの対決、ラスボス対決と、ボンドとゴールドフィンガーの対決のみで押し通した構成は魅力的。 前作の感想でも書いたが、戦いの決着をつけるのにも、ほとんどの場合きっちりと伏線が貼ってあって、これが爽快感をアップしてくれる。
妄想爆発的なゴールドフィンガー、巨漢の殺し屋オッド・ジョブ、魅惑のプッシー・ガロア(名前はどうかと思うが)らも、見事にボンドを引き立てる。
今時の映画に比べると、少々スローテンポに思われるところもあるかもしれないが、観客を置いてけぼりにしないこのペースこそが逆に完成度の高さを示すのである。久々に観たけれど、やっぱりこれは名作だ。
1964年公開(日本では1965年)で、監督は一、二作目を手がけたテレンス・ヤングからガイ・ハミルトンにバトンタッチ。ハミルトンは007シリーズをトータル四作撮ったが、その後も『ナバロンの嵐』や『クリスタル殺人事件』など、アクションやミステリ映画を多く手がけた監督さん。だがこの時点ではまだ若手であり、007をきっかけに大きく飛躍した人である。
今回のジェームズ・ボンドの敵は、異常なまでに金(きん)に執着する実業家、ゴールドフィンガー。もちろんただの実業家ではなく、世界中の金を手に入れるためなら手段を選ばない悪党である。
そんなゴールドフィンガーが金の密輸を行っている節があるということで、調査を命じられたボンド。マイアミでゴールドフィンガーがやっていたカードゲームのいかさまを見抜き、大損をさせることに成功。さらには賭けゴルフでもゴールドフィンガーのインチキを見破り、またも勝利を収める。
やがてジュネーブへ向かったゴールドフィンガーを追い、愛車アストン・マーチンDB5で追跡するボンド。だが、そこでゴールドフィンガーを狙撃しようとする女性と出会ったことから窮地に陥ってしまい……。

前作『007 ロシアより愛をこめて』と同様、傑作の誉れ高い一本。その時代の先端をゆく派手なアクション、ボンドカーや破天荒な秘密兵器、世界を股にかけるスケール感、次から次へと登場する美女の数々、ボンドの女好きな性格など、前作でも固まりつつあった007の要素が、本作で完全に固まったといってよい。
極端なことをいうと、以後のシリーズ作はすべてこれの繰り返しであり、焼き直し。見た目の派手さや美麗さが肥大化してゆくだけにすぎない。まあ、それでも作品によっていろいろな変化は求めているし、十分面白い作品は多いけれど、やはりこれをもってスパイアクションの嚆矢とする意見は多いようだ。
「ロバート・B・パーカーのスペンサー・シリーズは大人のためのハーレクインである」ということを言った評論家がいたが、本シリーズは正しくその偉大なる先達であろう。ハラハラドキドキと安心感が同居し、本来は物騒な物語でありながら優雅さやユーモアをも感じられるのは、撮られた時代のせいばかりではない。
見どころは何といっても、緩急をつけつつもだんだんと激しくなっていくバトルの数々。カード、ゴルフ、カーアクション、頭脳戦、軍隊、中ボスとの対決、ラスボス対決と、ボンドとゴールドフィンガーの対決のみで押し通した構成は魅力的。 前作の感想でも書いたが、戦いの決着をつけるのにも、ほとんどの場合きっちりと伏線が貼ってあって、これが爽快感をアップしてくれる。
妄想爆発的なゴールドフィンガー、巨漢の殺し屋オッド・ジョブ、魅惑のプッシー・ガロア(名前はどうかと思うが)らも、見事にボンドを引き立てる。
今時の映画に比べると、少々スローテンポに思われるところもあるかもしれないが、観客を置いてけぼりにしないこのペースこそが逆に完成度の高さを示すのである。久々に観たけれど、やっぱりこれは名作だ。
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コメントありがとうございます。
>私にとってのジェームズボンドはなんといっても
ピアーズブロスナンです。
007はもう50年も続いているシリーズですからね。それぞれの世代で思い入れのあるボンドはやはり違うと思います。ただ、私の世代でタイムリーなのは実はロジャー・ムーアなんですが、これが甘口すぎるというか、正直、個人的ランキングではやや落ちます(苦笑)。
ピアーズ・ブロスナンはその点バランスがいいというか、アクションもキレがあっていいですよね。
ショーン・コネリーは渋さと色気が魅力ですので、ぜひお試しを。