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 DVDでティムール・ベクマンベトフ監督による『リンカーン/秘密の書』を観る。
 リンカーンをネタにした映画といえば、近々公開されるスピルバーグの『リンカーン』が何といっても注目作。だが、大作感漂うスピルバーグの正統派人間ドラマに対し、本作はリンカーンがヴァンパイア・ハンターだったという、いかにもB級テイスト満載のお馬鹿映画である(笑)。

 こんな話。幼い頃に母親を殺されたエイブラハム・リンカーンは母の復讐を誓って成長する。だが、ようやく見つけた相手は実は凶悪なヴァンパイアであった。絶体絶命の危機を救ったのはヴァンパイア・ハンターを名乗るヘンリー。彼の話によるとアメリカの南部は既にヴァンパイアによって支配されており、奴らの野望を阻止しなければならないという。リンカーンは人類を救うべく、ヘンリーの元でハンターの修行をするが……。

 馬鹿馬鹿しい設定ではあるが、それなりには楽しい(笑)。リンカーンの武器となる斧を使ったアクションシーンが一番の見ものとはいえ、ストーリーもそれなりに見せる。何となくだが、観る前にはリンカーンが若い頃のお話だと思っていたのに、ちゃんと大統領になり、南北戦争に雪崩れ込んでゆく歴史的事実も踏まえてのストーリーであり、突飛な部分と史実の融合はそれなりに成功している。エンタメ優先ののために、多少、歴史的事実を曲げているところがあるのはご愛嬌だけど(苦笑)、まあ、そのぐらいは許そう(苦笑)。
 ただ、設定などが悪くないとはいえ、全体的に急ぎすぎであり、描写そのものはかなり粗っぽい。特に後半はひどい。ストーリー的には後半のほうこそ興味深いだけに、なんとももったいない作りである。

 なお、本作には原作がある。2010年の『Abraham Lincoln, Vampire Hunter』がそれだが、この著者が驚いたことにセス・グレアム=スミス。そう、二〜三年ほど前ちょっと評判になった『高慢と偏見とゾンビ』の作者だ。この人、『高慢と偏見とゾンビ』といい、ありものをひねくり回すのが好きなようで、今後も要注目だな。





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