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探偵小説三昧

日々,探偵小説を読みまくり、その感想を書き散らかすブログ


ジェームズ・フローリー『新・刑事コロンボ/幻の娼婦』

 DVDで『新・刑事コロンボ/幻の娼婦』を観る。通算四十八作目、新シリーズとしては三作目にあたる。監督はジェームズ・フローリー。

 こんな話。セックスクリニックを運営する心理学者のジョーン・アレンビー博士は著書がベストセラーとなるなど時の人として活躍していた。しかし、マネージャーを務める愛人のデヴィッドがアシスタントと浮気している現場を目撃し、しかも自分を笑いものにしていることを知るに及び、デヴィッドの殺害を決意する。
 ジョーンは友人が主催するコンサートに出かけ、まずはアリバイを作った。そして化粧室で高級娼婦”リサ”に変装するとデヴィッドを診療所に誘い、銃で殺害したのだ。
 捜査を開始したコロンボは、関係者の証言から幻の高級娼婦”リサ”の存在を知るが……。

 新・刑事コロンボ/幻の娼婦

 シリーズ中でも屈指の異色作。まあ、コロンボがセックス絡みの事件を扱うから異色なのであって、ミステリドラマとしてはいたって普通だったりするのだが、インパクトは相当強い。
 ビジュアル的には全然おとなしいものなのだが、なんせ犯人の仕事や生活そのものがセックスに直結するような設定。コロンボシリーズは中学生ぐらいでもファンがいるだろうから、家族揃って観ていたりした人たちは相当気まずかったんじゃないかな(笑)。

 ただ、そんな特殊設定より、むしろイライラしたのは変に演出過剰なところである。とりわけコミカルに見せる部分は新シリーズの大きな特徴でもあるわけだが、個人的にはやり過ぎ感が強くて好きではない。
 例えば大騒ぎでゴミ箱からタグを探しだすシーン、クリニックで次から次へとコロンボに相談者が現れるシーン、チューバを演奏するシーンで噴水がいっしょに踊るように吹き上がるシーン、婦人警官の芝居のシーンなどなど。『汚れた超能力』や『狂ったシナリオ』でも書いたが、制作側はよかれと思ってやっているのだろうが、やはりこれは逆効果ではないかな。

 というわけでミステリドラマとしてどうこうより、本筋以外のところで納得いかない作品ではある。ミステリ的には割と普通で、リボンやコートのタグを使った伏線など、巧い部分もあるのだが。

 最後に蛇の足。本作の犯人は娼婦に変装することで誰も気付かないぐらいの美人になるという設定なのだが、これがどうにもイマイチ(笑)。トリックに通じる重要な部分でもあるし、なにより皆が注目する美人という設定なのに、これは無理があるよなぁ。

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Comments

Edit

Sphereさん

私は、これダメでした(苦笑)。内容が内容ですから、女性と男性では感じ方の違いがけっこうありそうですね。

>でもたしかに、コロンボが笑いをとるシーンはちょっとくどいですね(^^;

多少ならいいんですが、新シリーズはやりすぎですね。古畑みたいになってるw

Posted at 00:54 on 06 25, 2013  by sugata

Edit

これは新シリーズの中ではかなり好きです。
リサになることで自分が変わってしまう畏れと歓び、という犯人の心理がツボでした。
でもたしかに、コロンボが笑いをとるシーンはちょっとくどいですね(^^;

Posted at 19:13 on 06 24, 2013  by Sphere

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Author:sugata
ミステリならなんでも好物。特に翻訳ミステリと国内外問わずクラシック全般。
四半世紀勤めていた書籍・WEB等の制作会社を辞め、2021年よりフリーランスの編集者&ライターとしてぼちぼち活動中。

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