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 DVDで『新・刑事コロンボ/殺人講義』を観る。通算五十六作目、監督はE・W・スワックハマー。

 大学生のジャスティンとクーパーは家柄もよく、頭脳も明晰。しかし、そんな恵まれた環境に感謝することもなく、数々のトラブルを起こしては、親に尻ぬぐいをしてもらっていた。そしてとうとうクーパーは、父親に今度問題を起こしたら勘当だと最終通告を突きつけられる。
 その直後、試験用紙を盗んだことが発覚した二人は、ラスク教授に呼び出しを受け、処分を待てと言い渡された。親に相談することもできず、彼らは事が公になる前にラスク教授を殺害賞と計画する。そんなある日、ラスク教授の授業に、特別講師としてコロンボが派遣されてきた……。

 新・刑事コロンボ/殺人講義

 基本的な構成は割合にオーソドックス、というかシリーズ中でもかなりシンプルな構成である。殺害トリックをラストまで明らかにしないというポイントはあるのだが、逆にいうとそのトリックがほぼすべて。ただし、秀才君が考えたトリックとしては機械的に過ぎて、ミステリとしての面白みは少ない。
 しかもコロンボまでもがツキに恵まれたと作中で語るように、推理の部分も物足りない。

 ただ、新シリーズの中で印象に残るエピソードであることもまた確か。その理由は異色の犯人像にある。
 シリーズ中でもおそらくはもっとも若い犯人。加えてもっとも無礼な犯人でもある。コロンボに登場する犯人は多くがその道の成功者であったり、野心家であったりするが、彼らは一流であるがゆえ次第にコロンボの秘められた実力に気づき、ときには敬意すら抱くこともしばしばである。
 ところが本作の犯人は最後の最後までコロンボの力に気づくこともなく、あろうことか陰ではコロンボの悪口を言いまくる。若さゆえの愚かさというのは誰にでもあることだが、それをここまで押し出す脚本は果たしてどういう狙いがあったのか。まあ、普通に考えると、かなりお年を召してきたコロンボと、孫ほどの犯人との対比であり、人間的な成熟にスポットを当てたというところだろう。しかしながら、それが非常に画一的すぎて見る者に響いてこない。

 そういう意味では、どうにもカタルシスを得られず、なんだか最後まで楽しめないままに終わってしまった。残念。

テーマ:刑事コロンボ - ジャンル:映画




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