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探偵小説三昧

日々,探偵小説を読みまくり、その感想を書き散らかすブログ


『このミステリーがすごい!』編集部/編『このミステリーがすごい!2014年版』(宝島社)

 年末恒例ランキング本の締めくくりとして『このミステリーがすごい!2014年版』に目を通す。
 が、この数年『このミス』に期待することは正直まったくない。
 かつて自社の作品や話題作ばかりをランクインさせていた『週刊文春』のベスト10に対するアンチテーゼとして登場した『このミス』。そんな熱き精神はどこへやら、今では自社の大賞作家の作品を毎回載せているぐらいだから何をかいわんや、である。今年も某作家の作品が相変わらず載っているのだが、短編どころか抄録というのだから恐れ入る。
 まあ、それでも資料としては便利なので、買う価値がないとは言わない。むしろ管理人などは毎年のように買っているのだから、もう少しそんな読者の気持ちを考えた本作りはできないものだろうか?

 このミステリーがすごい!2014年版

 のっけから辛いことを書いてしまったが、一応、2014年度版ならではの好企画もないではない。
 「復刊希望!幻の名作はコレだ!」は、「このミス」誕生以前の名作を取り上げようということで、最初の東京オリンピックが開催された1964年から「このミス」創刊の1988年に絞って、名作をランキングするというもの。国内編は『本格ミステリフラッシュバック』とかなり期間がかぶるのであまり旨味はないのだが、海外編はそれなりに役に立つのではなかろうか。オールタイムベストではひっかからない作品が拾えるという意味ではナイスである。
 ただ、企画としては悪くないのだから、どうせやるならもっときちんとした形でやってほしい。対象となる時代を考えると選者をもっとしっかり選定すべきだし、期間も適当にオリンピック合わせにするのではなく、より意義のあるものにした方がよい。
 現状はそれこそ単なる人気投票レベルであり、うまくすりゃこれで一冊ムックができそうな企画だけに、適当にやっつけた感が惜しまれる。

 肝心のベストテンだが(例によって拙サイトでは海外もののみを対象としております)、キング堂々の一位。ここへミネット・ウォルターズ、ウィングフィールドが続くのだが、今年は本当に大御所が強くてまったく波乱なし。どのベストもほんとに似たような結果である。
 先日の日記でも書いたばかりだが、ここまでベストテンが似てくると三つも四つも要らなくなるんだよなぁ。それでもビジネスとして続けたいのであれば、やはり他所には負けない企画をやってほしいものである。

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Comments

Edit

きみやすさん

>まさに、一刀両断ですね!!
>ある意味、すがすがしいです(笑)

いえいえ、そんな大層なものではありません。これは事実ですから(笑)。昔はベストテンひとつをとっても非常に独自性があって面白かったんですが、今ではすっかり丸くなったというか。

Posted at 23:35 on 12 17, 2013  by sugata

Edit

こんにちは!!
>が、この数年『このミス』に期待することは正直まったくない。

まさに、一刀両断ですね!!
ある意味、すがすがしいです(笑)

自分も購入はしてはいますが
昔ほどのわくわくする感じが年々減っていく感じがして残念です。

Posted at 16:20 on 12 17, 2013  by きみやす

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sugata

Author:sugata
ミステリならなんでも好物。特に翻訳ミステリと国内外問わずクラシック全般。
四半世紀勤めていた書籍・WEB等の制作会社を辞め、2021年よりフリーランスの編集者&ライターとしてぼちぼち活動中。

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