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ヴィンセント・マケヴィティ『新・刑事コロンボ/恋におちたコロンボ』
ようやく大掃除もひと区切りついて、あとは大晦日の買い出しを残すのみ。これもまた面倒っちゃ面倒なんだけど。
DVDで『新・刑事コロンボ/恋におちたコロンボ』を視聴。通算六十二作目、監督はヴィンセント・マケヴィティ。まずはストーリーから。
ビバリーヒルズの富豪ローレンは自宅でパーティーの真っ最中。恋人のニックも途中からやってきたが、ポーカーがあるとかですぐに帰ってしまう。しかし、実はニックは女を食い物にするゲス野郎。その日もポーカーなど行かず、リサという若い女性を自宅に呼んでいたのだ。
ところが自宅に帰ったニックを待っていたのは、密かにパーティーを抜け出していたローレン。なんと彼女は問答無用でニックを射殺してしまう。リサとローレンはニックの悪行を許すことができず、二人で共謀していたのだ。
やがてローレンはパーティーに戻り、あらためてニックの自宅へ向かう。ローレンが管理人を呼び出して鍵を借り受け、二人でニックの部屋へ向かったとき、リサが発砲。こうしてローレンのアリバイを工作したのだ。しかし、現場に現れたコロンボは不審な個所に気づき、ローレンに接近するが……。

本作の見どころは、あのフェイ・ダナウェイを犯人役に迎えたというその一点に尽きる。そもそもビッグスターをゲストに迎えることがコロンボの見どころの一つではあるけれど、一定以上の年齢の人であれば、やはり彼女は別格だろう。
そのフェイ・ダナウェイがピーター・フォークと対決するのだから、それを素直に楽しめばいいのであって、まあ野暮なことは言いたかないのだけれど、新シリーズのシナリオは相変わらずしょぼい(笑)。
犯行そのものが緩いというか、完全には程遠い手口。電気毛布のトリックはすぐに意味が無くなってしまうし、冷蔵庫の氷の件も厳しい。電話の履歴から足がつくなんて、この時代でもさすがにやってはいけないのではないか。いつの時代のミステリドラマかと言いたいぐらいである。
救いは、新シリーズには珍しく基本フォーマットをきちんと押さえていること。だからフェイ・ダナウェイとピーター・フォークとのやりとりだけで何とか持ちこたえているといった印象である。
あと、これはいいのか悪いのか判断に迷うところだが、本作ではコロンボが酒場のマスター相手に事件について話すシーンが多いのだけれど、そこで自分の内面について吐露するのが非常に気になってしまった。コロンボの飄々としたところやユーモラスなところは、内面(哀しみや怒り)を晒さないための一つのポーズであって、だからこそ時に見せる怒りの表情などが活きるわけである。
本作ではそういう心の内をけっこうあけすけに話しており、ここまで人間臭いコロンボはちょっと違うかなと感じた次第である。
DVDで『新・刑事コロンボ/恋におちたコロンボ』を視聴。通算六十二作目、監督はヴィンセント・マケヴィティ。まずはストーリーから。
ビバリーヒルズの富豪ローレンは自宅でパーティーの真っ最中。恋人のニックも途中からやってきたが、ポーカーがあるとかですぐに帰ってしまう。しかし、実はニックは女を食い物にするゲス野郎。その日もポーカーなど行かず、リサという若い女性を自宅に呼んでいたのだ。
ところが自宅に帰ったニックを待っていたのは、密かにパーティーを抜け出していたローレン。なんと彼女は問答無用でニックを射殺してしまう。リサとローレンはニックの悪行を許すことができず、二人で共謀していたのだ。
やがてローレンはパーティーに戻り、あらためてニックの自宅へ向かう。ローレンが管理人を呼び出して鍵を借り受け、二人でニックの部屋へ向かったとき、リサが発砲。こうしてローレンのアリバイを工作したのだ。しかし、現場に現れたコロンボは不審な個所に気づき、ローレンに接近するが……。

本作の見どころは、あのフェイ・ダナウェイを犯人役に迎えたというその一点に尽きる。そもそもビッグスターをゲストに迎えることがコロンボの見どころの一つではあるけれど、一定以上の年齢の人であれば、やはり彼女は別格だろう。
そのフェイ・ダナウェイがピーター・フォークと対決するのだから、それを素直に楽しめばいいのであって、まあ野暮なことは言いたかないのだけれど、新シリーズのシナリオは相変わらずしょぼい(笑)。
犯行そのものが緩いというか、完全には程遠い手口。電気毛布のトリックはすぐに意味が無くなってしまうし、冷蔵庫の氷の件も厳しい。電話の履歴から足がつくなんて、この時代でもさすがにやってはいけないのではないか。いつの時代のミステリドラマかと言いたいぐらいである。
救いは、新シリーズには珍しく基本フォーマットをきちんと押さえていること。だからフェイ・ダナウェイとピーター・フォークとのやりとりだけで何とか持ちこたえているといった印象である。
あと、これはいいのか悪いのか判断に迷うところだが、本作ではコロンボが酒場のマスター相手に事件について話すシーンが多いのだけれど、そこで自分の内面について吐露するのが非常に気になってしまった。コロンボの飄々としたところやユーモラスなところは、内面(哀しみや怒り)を晒さないための一つのポーズであって、だからこそ時に見せる怒りの表情などが活きるわけである。
本作ではそういう心の内をけっこうあけすけに話しており、ここまで人間臭いコロンボはちょっと違うかなと感じた次第である。
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