- Date: Sat 01 04 2006
- Category: 海外作家 フリーマン(オースティン)
- Community: テーマ "推理小説・ミステリー" ジャンル "本・雑誌"
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オースティン・フリーマン『証拠は眠る』(原書房)
四月一日の土曜日はすこぶる快晴。本日も仕事のはずだったが、前日になんとか片をつけることができ、本日は朝早くから起き出して昭和記念公園へ花見。凄い人出だったが、早めに起きたのが幸いして駐車場待ちにも巻き込まれず、良い場所でゆっくり桜を愛でつつ酒を飲む。とにかく最高の陽気でいい昼寝もできました。
読了本はオースティン・フリーマンの『証拠は眠る』。妻の外出中に夫が病死し、悲しみにくれる未亡人。だがやがて夫の死は砒素による殺人と判明する。未亡人の幼なじみルパートは友人のソーンダイク博士に真相の解明を依頼するが……。
ソーンダイク博士ならではの科学的捜査が実に個性的で、それが本書の見せ場であるといってよい。とりわけ本書の発表が1928年ということを考えれば、いっそうの驚きを禁じえない。だが、いかんせんそれ以外の要素が厳しい。意外性に欠ける犯人、ほとんど動きのないストーリー、ラストの盛り上がりの欠如などなど。本作はソーンダイクものの最高傑作とも呼ばれる作品らしいのだが、ううむ、これまでほとんどの長篇が訳されなかった理由もわかるというものだ。
だが、こうした復刊は作品の出来にかかわらず望むところ。できればソーンダイクものの残りの未訳作品もすべて翻訳してもらいたいものだが、さすがにこの水準では無理か。
読了本はオースティン・フリーマンの『証拠は眠る』。妻の外出中に夫が病死し、悲しみにくれる未亡人。だがやがて夫の死は砒素による殺人と判明する。未亡人の幼なじみルパートは友人のソーンダイク博士に真相の解明を依頼するが……。
ソーンダイク博士ならではの科学的捜査が実に個性的で、それが本書の見せ場であるといってよい。とりわけ本書の発表が1928年ということを考えれば、いっそうの驚きを禁じえない。だが、いかんせんそれ以外の要素が厳しい。意外性に欠ける犯人、ほとんど動きのないストーリー、ラストの盛り上がりの欠如などなど。本作はソーンダイクものの最高傑作とも呼ばれる作品らしいのだが、ううむ、これまでほとんどの長篇が訳されなかった理由もわかるというものだ。
だが、こうした復刊は作品の出来にかかわらず望むところ。できればソーンダイクものの残りの未訳作品もすべて翻訳してもらいたいものだが、さすがにこの水準では無理か。
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