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 この三連休は仕事が佳境なこともあってすべて出勤。とほほ。
 もちろん平日もそれなりの忙しさなのでなかなか読書もはかどらず、とりあえずコロンボだけでも進める。シリーズ通算六十七作目の『新・刑事コロンボ/復讐を抱いて眠れ』。監督はパトリック・マクグーハン。
 マクグーハンは本作で監督だけでなく製作や犯人役も演じているのだが、この人が絡むだけで安心というか、品質保証の目印という感じである。しかも、ものの本によると本作では脚本も担当したのではないかという話もあり、正にマクグーハンの総力を結集したような作品。その甲斐あって、新シリーズでは数少ない良作となった。

 かつて役者を志してハリウッドにやってきたエリック・プリンス。その夢は叶わなかったものの、今ではハリウッドのセレブたちを相手に葬儀社を経営し、大成功を収めていた。しかし、その成功のきっかけになったのは、ある女優の遺体につけられていたダイヤのネックレスを盗み、経営資金としたことであった。
 そんなエリックの過去を調べ上げ、テレビで暴露すると脅したのが、エリックに捨てられた元愛人でテレビレポーターのヴェリティ。エリックは葬儀社にやってきた彼女を撲殺し、そのとき行われていたある俳優の葬儀を利用して、死体を処分しようとするが……。

 新・刑事コロンボ/復讐を抱いて眠れ

 上で書いたように、これは新シリーズでもトップクラスの面白さである。いや、正直いうとマクグーハンはことさら特別なことはやっていないのである。新シリーズで目立つわざとらしい演出、過剰な性描写(大したレベルではないのだがコロンボという世界観に合わないという意味である)を止め、旧シリーズのようにコロンボと犯人の知的対決を上品に描き、ミステリドラマとして丁寧に伏線やどんでん返しを盛り込んでいるだけなのである。
 まあ、それが難しいという話もあるけれど、新シリーズでは方向性すら見失っている作品が多いので、とりわけ本作の真っ当さが際だっている。
 ラストの決め手もちゃんと伏線が張ってあって、犯人が完璧を期したはずの一手が、実はそれでも完全ではなかったというオチも楽しい。

 強いてケチをつけるとすれば、邦題が安手のハードボイルドっぽくてまったく似合わないことぐらいか。原題の『Ashes to Ashes』は犯行や舞台設定など、いろいろな意味に絡んでいて秀逸なのにねぇ。もったいない。
 まあ、そんな細かいことは置いといて、久々に安心しておすすめできるコロンボ新シリーズの一作ではありました。

テーマ:刑事コロンボ - ジャンル:映画




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