- Date: Sun 27 04 2014
- Category: 評論・エッセイ 喜国雅彦
- Community: テーマ "評論集" ジャンル "本・雑誌"
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喜国雅彦『本棚探偵最後の挨拶』(双葉社)
喜国雅彦の『本棚探偵最後の挨拶』を読む。おなじみ本棚探偵シリーズの第四弾、といっても小説ではなく漫画家の喜国雅彦氏が趣味のミステリや古書、本のあれこれについて語ったエッセイ集である。
ただし、そんな趣味に明け暮れる日常を綴ったエッセイ集ではまったくなくて、ギャグ漫画家がネタやオチ、企画の類を積極的に盛り込む、いわゆる攻めのエッセイであるところが大きな特徴だ。したがって先に挙げたジャンルに興味があれば爆笑ものなのだが、興味がない人にはまったく面白さが理解できないに違いない。

相変わらず楽しく読めるけれど、四作目ともなるとさすがにネタ的には少々パワーダウン。『〜冒険』や『回想』に比べると物足りなく感じてしまうのは致し方ないところか。
その中でもやはり傑作なのは日下三蔵氏宅再訪記であろう。目次では「ゴジラ対キングギドラ」とか『エイリアン対プレデター』といったタイトルがつけられているやつ。なんでこんな題名がついているかというと、喜国氏と同行したのがシャーロキアンの北原尚彦氏だから。古書収集家版二大怪獣の激突というイメージだったようだが、いざ蓋を開けてみると日下氏の蔵書のあまりの凄まじさに、さすがの北原氏も毒気を抜かれてしまった感じなのが笑えた。
このシリーズは装丁や造本にも趣向を凝らしているのが特徴だが、こちらもやり尽くした感があるのか、本書では口絵に月報とややおとなしめ。
同じ編集を生業としているせいか、他人事ながらいつも費用を心配してしまうのだが、まあ今回程度なら双葉社の担当編集者もおそらく胸をなで下ろしたのではなかろうか(笑)。
なお、本シリーズはとりあえず本書で完結とのこと。本家には『〜事件簿』があるけれども、創元版で育った著者としてはあまり『〜事件簿』には執着がないらしく、『〜最後の挨拶』をもって〆としたいようだ。
新潮版で育った管理人としては、『〜事件簿』どころか『〜叡智』まで期待していたんだけどなぁ(笑)。
ただし、そんな趣味に明け暮れる日常を綴ったエッセイ集ではまったくなくて、ギャグ漫画家がネタやオチ、企画の類を積極的に盛り込む、いわゆる攻めのエッセイであるところが大きな特徴だ。したがって先に挙げたジャンルに興味があれば爆笑ものなのだが、興味がない人にはまったく面白さが理解できないに違いない。

相変わらず楽しく読めるけれど、四作目ともなるとさすがにネタ的には少々パワーダウン。『〜冒険』や『回想』に比べると物足りなく感じてしまうのは致し方ないところか。
その中でもやはり傑作なのは日下三蔵氏宅再訪記であろう。目次では「ゴジラ対キングギドラ」とか『エイリアン対プレデター』といったタイトルがつけられているやつ。なんでこんな題名がついているかというと、喜国氏と同行したのがシャーロキアンの北原尚彦氏だから。古書収集家版二大怪獣の激突というイメージだったようだが、いざ蓋を開けてみると日下氏の蔵書のあまりの凄まじさに、さすがの北原氏も毒気を抜かれてしまった感じなのが笑えた。
このシリーズは装丁や造本にも趣向を凝らしているのが特徴だが、こちらもやり尽くした感があるのか、本書では口絵に月報とややおとなしめ。
同じ編集を生業としているせいか、他人事ながらいつも費用を心配してしまうのだが、まあ今回程度なら双葉社の担当編集者もおそらく胸をなで下ろしたのではなかろうか(笑)。
なお、本シリーズはとりあえず本書で完結とのこと。本家には『〜事件簿』があるけれども、創元版で育った著者としてはあまり『〜事件簿』には執着がないらしく、『〜最後の挨拶』をもって〆としたいようだ。
新潮版で育った管理人としては、『〜事件簿』どころか『〜叡智』まで期待していたんだけどなぁ(笑)。
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あの人たちの真似はできません。っていうか、したらいけません(笑)。
でも、私も最近は仕事の影響もあって、なかなか読書がはかどらないんですが、読めない憂さを買うことで晴らすというのは確かにありますね。