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 この数年、特撮映画やホラー映画の古典をぼちぼち観ているのだが、だんだんマニアックなところに入りつつある。まあ、マニアックとは言ってもその道の達人には基本的なところばかりなのだが、それでも一般の映画ファンは相手にしないようなものも多い。
 先日、DVDで観たのはエドワード・ルドウィング監督による『黒い蠍』。何やらタイトルだけ見ていると東映の女囚ものみたいだが、文字どおり蠍の化け物が大暴れする特撮映画である。

 黒い蠍

 メキシコのある火山が大噴火を起こした。地質学者のハンク・スコットとアーサー・ラモスは調査のためサンロレンズという村を目指すが、途中でジープがオーバーヒートし、目についた民家に助けを求める。しかし、そこは何ものかによって無茶苦茶に荒らされ、警官が惨殺されていた。
 二人は残されていた赤ん坊を救出し、なんとかサンロレンズに到着するが、そこでも牛や人間が死体で発見される事件が相次いでいるという……。

 というようなストーリーだが、要は噴火によって地中に暮らしていた巨大蠍が出現し、村を皮切りにメキシコシティーまでも襲うというお話。原因不明の怪事件が起こり、焦らしに焦らしてモンスターが登場したり、局地戦から総力戦へという流れも非常にオーソドックスながら、ツボを外さない作りである。
 とりわけ蠍の生息する地下空洞を探検する件は、蠍だけでなく巨大尺取り虫や巨大蜘蛛まで登場させ、しかも怪物同士の対決まで盛り込むなど、なかなかサービス精神も旺盛。ここまでしっかりした内容だとは思わなかったので、これだけでも怪獣映画ファンには一見の価値がある。

 肝心の特撮は『キング・コング』のウィリス・オブライエンが担当。ハリーハウゼンの師匠筋にあたる方で、この時代を代表するストップ・モーションによるものだが、蠍の動きにマッチしていてこれも悪くない。列車や戦車、ヘリコプターまでぶち壊すなど暴れっぷりも合格点だ。
 ただ、蠍の顔のアップが多いのは正直つらい。なんというか非常に間抜けな顔で、なぜそれを何度も見せるのか理解に苦しむほどである。緊張感が高まるシーンでいちいち見せてくれるのは明らかに逆効果。
 また、とことどころで見せる合成シーンもなんだか蠍本体が影にしか見えず、ストップ・モーションのシーンとのギャップが大きすぎて、これも残念極まりない。ついでに書くと、同じシーンの使い回しが多いのもマイナス点である。

 ううむ、こうして感想を書いていると、長所短所が非常にはっきりしている映画だというのがよくわかる。1957年公開という点を考慮すると十分合格点だが、特撮ファン以外にはオススメいたしません。



















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