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S・S・ウィルソン『トレマーズ2』
DVDでS・S・ウィルソン監督による『トレマーズ2』を観る。
シリーズ前作『トレマーズ』は砂漠の町パーフェクションを舞台に、ミミズ状の巨大生物グラボイズと住民との対決を描いた作品。モンスターパニック映画らしからぬスカッと爽やかな映像とお馬鹿なノリが魅力のナイスな映画であった。
『トレマーズ2』はもちろんそのパート2となるのだが、いにしえより続編に傑作なしという言葉もあるように(最近では意外に続編の出来が良くなる場合もあるけれど)、本作もまったく期待せずに観たのだが……。
舞台は前作と打って変わってメキシコのとある精油所。突然現れたグラボイズによって、今や精油所の運命は風前の灯火。そこで責任者はグラボイズ騒動で名をあげたアールに、グラボイズ殲滅を依頼すべくパーフェクションを訪れた。
さて、一時期は人気者になったアールだが、グラボイズゲーム事業で失敗し、今ではしがないダチョウ牧場で食いつなぐ始末。そこへ降ってわいた金儲けのチャンスに飛びつき、新しい相棒のグラディや地質学の専門家ケイトとともにグラボイズに立ち向かう。人手が足りないとばかりに、かつて一緒にグラボイドと戦った軍事オタクのバートも呼び寄せた。
ところが最初は順調だったグラボイズ殲滅作戦だが、やつらも負けてはいない。これまでは地中しか移動できないミミズのお化けだったが、突然変異によって新種シュリーカーを生み出した。シュリーカーは喩えればダチョウタイプ。大きさは1メートルぐらいだが、二足歩行で地上を走り回り、巨大な口で獲物をかみ砕く。しかも食べた分が一定量になると口から子供を産み、どんどん増殖する性質をもつ。
果たしてアールたちは生き残ることができるのか?

ううむ、期待どおりの駄作である(笑)。いや、駄作は可哀想か。しかしコメディタッチと明るい画面は維持しつつも、モンスターに少し変化をつけてみましたというだけで、一作目より良くなったと思えるところが一切ないのはいかがなものか(笑)。
一応はモンスター映画であるから、何といってもまずはモンスター自体に魅力がなければならないのだが、これが厳しい。地上も自由に動き回れるよう進化したといえば聞こえはいいが、サイズは小さくなるし、怖くもないし、銃ですぐに死んじゃうしという具合では、ハラハラドキドキの欠片もない。しかも熱でしか相手を感知できないのでは、人間側の対策も容易である。このあたりのぬるさがそもそもの魅力とはいえ、これでは緊迫感もほぼ皆無。まあ、緊迫感を望む映画でもないのだが。
というわけで前半こそ前作のノリでそこそこ楽しめたが、後半に入ってシュリーカーが登場すると迫力不足もあって一気に萎えてしまった。
何の根拠も脈絡もなくグラボイスを進化させたのが運の尽きだとは思うが、三作目ではさらなる進化を遂げるようなので、しょうがねーなーと思いつつもやはりここは観ておくしかないのだろう。やれやれ。
シリーズ前作『トレマーズ』は砂漠の町パーフェクションを舞台に、ミミズ状の巨大生物グラボイズと住民との対決を描いた作品。モンスターパニック映画らしからぬスカッと爽やかな映像とお馬鹿なノリが魅力のナイスな映画であった。
『トレマーズ2』はもちろんそのパート2となるのだが、いにしえより続編に傑作なしという言葉もあるように(最近では意外に続編の出来が良くなる場合もあるけれど)、本作もまったく期待せずに観たのだが……。
舞台は前作と打って変わってメキシコのとある精油所。突然現れたグラボイズによって、今や精油所の運命は風前の灯火。そこで責任者はグラボイズ騒動で名をあげたアールに、グラボイズ殲滅を依頼すべくパーフェクションを訪れた。
さて、一時期は人気者になったアールだが、グラボイズゲーム事業で失敗し、今ではしがないダチョウ牧場で食いつなぐ始末。そこへ降ってわいた金儲けのチャンスに飛びつき、新しい相棒のグラディや地質学の専門家ケイトとともにグラボイズに立ち向かう。人手が足りないとばかりに、かつて一緒にグラボイドと戦った軍事オタクのバートも呼び寄せた。
ところが最初は順調だったグラボイズ殲滅作戦だが、やつらも負けてはいない。これまでは地中しか移動できないミミズのお化けだったが、突然変異によって新種シュリーカーを生み出した。シュリーカーは喩えればダチョウタイプ。大きさは1メートルぐらいだが、二足歩行で地上を走り回り、巨大な口で獲物をかみ砕く。しかも食べた分が一定量になると口から子供を産み、どんどん増殖する性質をもつ。
果たしてアールたちは生き残ることができるのか?

ううむ、期待どおりの駄作である(笑)。いや、駄作は可哀想か。しかしコメディタッチと明るい画面は維持しつつも、モンスターに少し変化をつけてみましたというだけで、一作目より良くなったと思えるところが一切ないのはいかがなものか(笑)。
一応はモンスター映画であるから、何といってもまずはモンスター自体に魅力がなければならないのだが、これが厳しい。地上も自由に動き回れるよう進化したといえば聞こえはいいが、サイズは小さくなるし、怖くもないし、銃ですぐに死んじゃうしという具合では、ハラハラドキドキの欠片もない。しかも熱でしか相手を感知できないのでは、人間側の対策も容易である。このあたりのぬるさがそもそもの魅力とはいえ、これでは緊迫感もほぼ皆無。まあ、緊迫感を望む映画でもないのだが。
というわけで前半こそ前作のノリでそこそこ楽しめたが、後半に入ってシュリーカーが登場すると迫力不足もあって一気に萎えてしまった。
何の根拠も脈絡もなくグラボイスを進化させたのが運の尽きだとは思うが、三作目ではさらなる進化を遂げるようなので、しょうがねーなーと思いつつもやはりここは観ておくしかないのだろう。やれやれ。
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