- Date: Fri 05 12 2014
- Category: 雑記
- Community: テーマ "推理小説・ミステリー" ジャンル "本・雑誌"
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『週刊文春』2014年12月11日号「ミステリーベスト10 2014」

先日、『ミステリマガジン』で年末恒例の「ミステリが読みたい!2015年版」が掲載されたが、今週は老舗『週刊文春』による「ミステリーベスト10 2014」が掲載された。
拙サイトでは例によって海外作品にしか興味はないのだけれど、一位はピエール・ルメートルの『その女アレックス』。おお、「ミステリが読みたい!2015年版」に続いてV2ではないか。
非常に面白い作品だが、ぶっちゃけそこまで圧倒的かどうかとなると疑問もないわけではない。ただ、意外性のタイプが珍しく、広く好まれる仕掛けであることは確か。そういうわかりやすさもこういうランキングでは有利に働いたのだろう。
ピエール・ルメートルを筆頭として全般的に新顔が多いのも(初紹介ではないにせよ)いい傾向である。
ちなみに2位はケイト・モートンの『秘密』、3位は『ゴーストマン 時限紙幣』と続く。どちらも未読だがそれぞれ気にはなっていた作品なので、年末のお楽しみにしておこう……と思ったところで、ふと気になることがひとつ。
あらら、なんと『ミステリマガジン』と『週刊文春』のベスト3までが、作品はもちろん順位までまったく同じなのである。
昨年も書いたのだが、以前は各誌ベストテンごとにけっこう方向性が違うというか、それなりに意味もあったのだが、ううむ、ここまで似てしまうとなると本当に関係者はベストテンの在り方を真剣に考えるべきではないか。投票者にしても本当に全部読んでいるわけではないだろうし。
それらに加えて、実はこれが最大の原因かもと考えているのだが、ネットによる情報の共有化が進みすぎて、みなが評判の良いものに集中しすぎる面は否定できないだろう。
次は『このミステリーがすごい』になるだろうが、本命は『その女アレックス』でいいとしても、こちらまで2位、3位まで同じだとさすがに嫌だな。
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