- Date: Wed 25 03 2015
- Category: 映画・DVD SF・ファンタジー
- Community: テーマ "特撮・SF・ファンタジー映画" ジャンル "映画"
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ジャック・ショルダー『ヒドゥン』
ジャック・ショルダー監督による『ヒドゥン』を視聴。1988年(本国アメリカでは1987年)に公開されたSFアクションホラー映画。今ではカルトっぽい人気を誇る作品で、管理人も実はオールタイムベストテンに入れてもいいぐらい好きな映画である。
こんな話。わずか一週間で多くの犠牲者を出した凶悪殺人犯デヴリーズ。腕利きとして知られるロス市警のベック刑事は、派手なカーチェイスの末、ついにデヴリーズを逮捕したが、ある疑問が残っていた。事件を起こす前のデヴリーズはいたって平凡な常識人。いったい彼を凶行に走らせた理由は何だったのか。
そこへ現れたのがロイド・ギャラガーと名乗るFBI捜査官だった。ギャラガーはまだ事件が終わっていないといい、事実、新たな連続殺人が発生、犯人はなんとデヴリーズが収容された病院で同室の男だった。ベックはこれら連続殺人の背後にあるものを教えるようギャラガーに詰め寄るが、なぜかギャラガーは答えをしぶるのだった……。

いやあ、久々に観たけれど、やはり『ヒドゥン』はいいわ。
要は宇宙からやってきた凶悪犯と刑事の異星人が、地球上で人間の姿を借り、追いつ追われつを繰り広げるという物語。まあ、典型的なB級映画ではあるのだが、刑事ものやアクション、SFやモンスターホラー等々のエンターテインメントの各種要素が絶妙のバランスで成り立っている。面白さのレベルや種類でいえば『ターミネーター』に匹敵する出来だ。
いいところはいろいろあるのだが、まずは異星人の地球上での生態について、きちんと設定やルール作りがされているのが高ポイント。異星人が人間の姿を借りているというよりは、寄生しているといた方が正確なのだが、たとえば、こういう条件でないと異星人を倒せない、これこれの状況でないと寄生できないとかである。
こういう要素が伏線として上手くストーリーに組み込まれているから、ちょっとしたミステリっぽさも味わえるし、結末への興味が持続する。
刑事ものとしてみても悪くない。オープニングがいきなり銀行襲撃(警備カメラの映像というのがまたいい)、そしてカーチェイスへと移る件などはなかなかの名シーンで、他にもストリッパーと刑事の銃撃戦なども印象的だ。
ただこれらのアクションもいいのだが、より注目してほしいのはベックとギャラガーの間に芽生える友情や家族愛の描き方である。
これらの描写が実に過不足ないというか、単なる添え物ではなく、といってメインストーリーの邪魔をするわけではない。しかもそれが、本作ならではの非常に感動的なラストシーンにつながっていく巧妙さ。もしかしたらこのラストシーンがやりたかったから、こういう設定にしたんじゃないかと思うほどだ。
もうひとつポイントを挙げておくと、役者の演技にも要注目。特に異星人に寄生された人間を演じる役者陣は素晴らしい。
寄生された人間は既に人ではなく、その表情もすべて異星人の演技によるもの。そのどことなく無機質で嘘っぽい表情の作り方がなんとも言えないのだ。単にクールに済ますのではなく、嘘っぽい笑顔や怒った表情が微妙に織り混じるところが絶妙。出てくる役者さん役者さん、これがまたみな上手いんだよなぁ。
というわけで久々に熱く語らせていただいたが、いやほんと名作なんだって。
こんな話。わずか一週間で多くの犠牲者を出した凶悪殺人犯デヴリーズ。腕利きとして知られるロス市警のベック刑事は、派手なカーチェイスの末、ついにデヴリーズを逮捕したが、ある疑問が残っていた。事件を起こす前のデヴリーズはいたって平凡な常識人。いったい彼を凶行に走らせた理由は何だったのか。
そこへ現れたのがロイド・ギャラガーと名乗るFBI捜査官だった。ギャラガーはまだ事件が終わっていないといい、事実、新たな連続殺人が発生、犯人はなんとデヴリーズが収容された病院で同室の男だった。ベックはこれら連続殺人の背後にあるものを教えるようギャラガーに詰め寄るが、なぜかギャラガーは答えをしぶるのだった……。

いやあ、久々に観たけれど、やはり『ヒドゥン』はいいわ。
要は宇宙からやってきた凶悪犯と刑事の異星人が、地球上で人間の姿を借り、追いつ追われつを繰り広げるという物語。まあ、典型的なB級映画ではあるのだが、刑事ものやアクション、SFやモンスターホラー等々のエンターテインメントの各種要素が絶妙のバランスで成り立っている。面白さのレベルや種類でいえば『ターミネーター』に匹敵する出来だ。
いいところはいろいろあるのだが、まずは異星人の地球上での生態について、きちんと設定やルール作りがされているのが高ポイント。異星人が人間の姿を借りているというよりは、寄生しているといた方が正確なのだが、たとえば、こういう条件でないと異星人を倒せない、これこれの状況でないと寄生できないとかである。
こういう要素が伏線として上手くストーリーに組み込まれているから、ちょっとしたミステリっぽさも味わえるし、結末への興味が持続する。
刑事ものとしてみても悪くない。オープニングがいきなり銀行襲撃(警備カメラの映像というのがまたいい)、そしてカーチェイスへと移る件などはなかなかの名シーンで、他にもストリッパーと刑事の銃撃戦なども印象的だ。
ただこれらのアクションもいいのだが、より注目してほしいのはベックとギャラガーの間に芽生える友情や家族愛の描き方である。
これらの描写が実に過不足ないというか、単なる添え物ではなく、といってメインストーリーの邪魔をするわけではない。しかもそれが、本作ならではの非常に感動的なラストシーンにつながっていく巧妙さ。もしかしたらこのラストシーンがやりたかったから、こういう設定にしたんじゃないかと思うほどだ。
もうひとつポイントを挙げておくと、役者の演技にも要注目。特に異星人に寄生された人間を演じる役者陣は素晴らしい。
寄生された人間は既に人ではなく、その表情もすべて異星人の演技によるもの。そのどことなく無機質で嘘っぽい表情の作り方がなんとも言えないのだ。単にクールに済ますのではなく、嘘っぽい笑顔や怒った表情が微妙に織り混じるところが絶妙。出てくる役者さん役者さん、これがまたみな上手いんだよなぁ。
というわけで久々に熱く語らせていただいたが、いやほんと名作なんだって。
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カイル・マクラクランは個性的ですよね。単なる二枚目ではなく、常にミステリアスな雰囲気をまとっているのがいいです。
ちなみに続編はありますが、あまりにも駄作なのでファンの間ではなかったことになっています(笑)。