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探偵小説三昧

日々,探偵小説を読みまくり、その感想を書き散らかすブログ


市川崑『悪魔の手毬唄』

 最近、横溝正史原作の映画を観ているのだが、まあ三連休ぐらいは映画館と思って近所のシネコンに行く。ところがこれがまあみな考えることが同じというか、恐ろしいくらい激コミである。お目当は『ターミネーター:新起動/ジェニシス』だったのだが、あっさり後日に予定変更。結局、自宅で金田一映画を見ることにする。

 というわけで1977年公開の市川崑監督『悪魔の手毬唄』を視聴。原作は横溝正史屈指の傑作だが、映画もまた十分な出来栄えである。

 こんな話。私立探偵の金田一耕助は友人でもある磯川警部に招待され、岡山と兵庫の県境にある鬼首村の温泉宿「亀の湯」を訪れた。なんと磯川は耕助に個人的な捜査依頼をしたいのだという。実は亀の湯の女主人、青池リカの夫は、二十三年前、詐欺師の恩田によって殺害され、事件は迷宮入りになっていたのだ、
 折しも村ではいくつかの不穏な動きが持ち上がっていた。村の二大勢力である由良家と仁礼家の確執。それに絡む青池家を巻き込んだ結婚騒動。恩田がかつて村の娘に産ませた子・千恵の人気歌手となっての帰郷……。
 そんなある日。耕助は村の世捨て人・放庵から別れた妻のおはん(原作ではおりん)へ復縁を了承する手紙の代筆を頼まれる。それから数日経ち、耕助は調査で隣町へ出かけるが、その途中の山道でおはんと名乗る老婆とすれ違う。ところが隣町では、なんとおはんが昨年死亡していることが発覚。耕助は磯川とともに放庵のもとへ急ぐが、そこには二人分の食事の残りと吐血の痕が残されているだけだった。
 やがて千恵の歓迎会が行われた夜、惨劇の幕が開く……。

 悪魔の手毬唄

 横溝正史の長編はとにかく人間関係や血縁関係が複雑である。映画ではまずその事実をどうやって伝えていくか、また、その血縁関係からくるどろどろの世界観をどの程度表現できるかが、作品の出来を左右する。
 市川崑も前者には相当苦労したと思うが、後者はさすがである。忌まわしい過去の事件、それが今の村人に落とす影をきちんと見せてくれるのがいい。これはもちろんキャストの演技力によるところも大きい。岸恵子や若山富三郎の重厚ながら軽やかな演技なくしては本作は成立しないといっても過言ではないだろう。
 また、苦労はしているが人間関係の説明、事件の謎解きも無理のない範囲で省略し、なかなか理解しやすくできている。ただ、個人的にはラストの診療所と亀の湯の場面は、どちらか一方に全員をまとめてくれた方がより盛り上がったような気がする。やや間延びしているのが惜しい。

 ともあれ本作は間違いなく傑作。映画としての本作を語る場合、どうしても叙情性に焦点が当てられることが多いのだが、ミステリ映画としても抜群なのである。うむ、原作も読み直したくなってきたなぁ。

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Comments

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涼さん

>実は先日の「犬神家の一族」に触発されて、横溝正史を再読し始めています。

いいですね。私は二十年ほど前に角川横溝一気読みしたことがあるんですが、そのときはブログもやってなくて、感想を残しておかなかったことをすごい後悔してます(苦笑)。

>【悪魔の手鞠唄】でした。

ドンマイです(笑)

Posted at 23:45 on 07 21, 2015  by sugata

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まちがいでした

すみません

【悪魔の手鞠唄】でした。

Posted at 11:52 on 07 21, 2015  by

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再読

こんばんは、懐かしい俳優さんのお名前が出てきますね。

実は先日の「犬神家の一族」に触発されて、横溝正史を再読し始めています。
部分的には覚えているのですが、細部はまったく忘れていました。

これ(悪魔の子守歌)も、その内読む予定です。

Posted at 23:50 on 07 20, 2015  by

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Author:sugata
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四半世紀勤めていた書籍・WEB等の制作会社を辞め、2021年よりフリーランスの編集者&ライターとしてぼちぼち活動中。

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