- Date: Wed 22 02 2006
- Category: 国内作家 筒井康隆
- Community: テーマ "文学" ジャンル "本・雑誌"
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筒井康隆『銀齢の果て』(新潮社)
以前ほど漫画は読まなくなったのだが、それでも発作的に読みたくなることもあるもので、先日、二ノ宮知子『のだめカンタービレ』をまとめて買って一気に読んでしまった。これは面白いわ。会社の若い連中に勧められたのだが、クラシック界という設定もいいが、それよりもストーリー性とほのぼの感とギャグのバランスが絶妙。絵はあまり上手くないが、それすらも味に思える。
筒井康隆『銀齢の果て』を読む。内容は老人版『バトル・ロワイヤル』といった趣だが、もちろん只のパロディなんかではなく、筒井氏お得意のブラックジョーク&スラップスティックが超満載。高齢化社会、老人問題等に対する問題提議と書くのは簡単だが、ある町内を舞台にとって、日本が抱えるあらゆるタブーを詰めこんだかのような徹底振りは凄まじいの一語。そのくせ以前にはあまり書かなかったヒューマニズムをちらちらっとのぞかせるあたりも巧い。
正直、ここ数年の作品を読むにつけ少し物足りない思いをしてきたが、これは文句なし。強烈な描写と内容ゆえ、万人にお勧めできる作品ではないだろうが、だまされたと思ってとりあえず読むべし。
筒井康隆『銀齢の果て』を読む。内容は老人版『バトル・ロワイヤル』といった趣だが、もちろん只のパロディなんかではなく、筒井氏お得意のブラックジョーク&スラップスティックが超満載。高齢化社会、老人問題等に対する問題提議と書くのは簡単だが、ある町内を舞台にとって、日本が抱えるあらゆるタブーを詰めこんだかのような徹底振りは凄まじいの一語。そのくせ以前にはあまり書かなかったヒューマニズムをちらちらっとのぞかせるあたりも巧い。
正直、ここ数年の作品を読むにつけ少し物足りない思いをしてきたが、これは文句なし。強烈な描写と内容ゆえ、万人にお勧めできる作品ではないだろうが、だまされたと思ってとりあえず読むべし。
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