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 本日の読了本は角川書店編集部/編『山田風太郎全仕事』。タイトルどおり山田風太郎についての読書ガイドブックで、四年ほど前に角川文庫で刊行されたもの。ただし、中身はかつて一迅社で刊行された『幻妖 山田風太郎全仕事』がベースとなっており、それを再構成したもののようだ。
 まあ、読了というような読書ではないけれど、文庫版でのこういうガイドブックは割と珍しいので、少し感想を残しておきたく。

 山田風太郎全仕事

 「全仕事」と謳っているように基本は著作を紹介するガイドブックだが、スタイルとしては忍法帖や明治もの、推理もの、時代物、その他といったジャンルごとで構成している。まあ、それは別に珍しくもないが、本書ならではの味付けとして、そのジャンルごとに印象的なキャラクターも紹介しているところが特徴的。
 加えて巻末には忍法帖に登場する忍者人名録も載っており、なんとなくだが全体的にはキャラ推しでアピールしているといった印象である。
 しかしながら肝心の各作品の解説があまりに乏しく、また全体を俯瞰できる著作リストや著書リストなどがないため、結局、「全仕事」という割には、その全仕事の全貌が非常に掴みにくいという残念なガイドブックになってしまっている。
 このほか山田風太郎へのロングインタビューが掲載されているが、これはそもそも一迅社版の時点で再録だったものなので、いまさら文庫版に入れる必要があったのかという疑問もちらほら。もちろん新しいインタビューは無理なのだから、何か新企画でも良かったのだろうけど。

 文庫版という安く手軽な媒体で、山田風太郎の特徴と代表作を紹介しようというのは悪いことではないし、むしろ大歓迎。それだけに単なる再編集本で済まさず、山風初心者を取り込むようなサービスや工夫をもっと意識してほしかった。
 帯や裏表紙に踊っている「空前絶後のパーフェクトガイドブック」とか「物語の奇才を読み解くパーフェクトガイドブック」とか、この内容ではちょっと恥ずかしい。


テーマ:評論集 - ジャンル:本・雑誌



















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