- Date: Sun 22 01 2006
- Category: 海外作家 キング(C・デイリー)
- Community: テーマ "推理小説・ミステリー" ジャンル "本・雑誌"
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C・デイリー・キング『海のオベリスト』(原書房)
銀座松屋へ「ミヒャエル・ゾーヴァの世界展」を観にいく。ゾーヴァは物語や絵本の挿絵で有名な画家だが、描き方は緻密でリアルなのに、そこに描かれている世界はのんびりしたユーモアに包まれた、独特なファンタジーの世界。このアンバランスが気持ちよくて、挿絵が描かれた本は全部持っているほどだ。日頃親しんでいる挿絵の原画が見られただけでも嬉しいのに、何と日本では未公開の絵もかなりあって満足。特に気になったのは、タイトルは忘れちゃったけど、空耳をそのまま絵にしたというやつ。ああ、早くどこかから出版してくれないかな。
その後、真向かいにあるアップルストアものぞいてみたが、ううインテルマック、いいなぁ。MacBookはまだ置いていなかったが、真剣に購入を検討したくなってきた。
読了本はC・デイリー・キングの『海のオベリスト』。原書の発行順とまったく逆になってしまったが、これでオベリスト三部作もすべて読了。
こんな話。豪華客船メガノート号のサロンでは、1日の航行距離を落札するという恒例のオークションが行われていた。オークションが異様に白熱する中、突然停電が発生。その瞬間、銃声がサロンに鳴り響く。再び明かりが灯されたとき、人々が目にしたのは、銃弾に倒れた資産家のスミス氏と、拳銃を手にして立つ、オークションでスミス氏と競り合った男だった。男は犯人として取り押さえられるものの、次々に意外な事実が明るみに出て事件は混迷を極め、ついには客船に乗り合わせた4人の心理学者による推理合戦へと発展する。
出来はこの際抜きにして、ヴィンテージの味わいが十分に楽しめる作品である。客船という限られた空間。心理学を応用する推理合戦。連続するどんでん返し。意外な犯人。意外な探偵。おまけに手がかり索引まで付いた日には、さぞや作者も楽しんで書いたであろうことがうかがえる。
また、「出来はこの際抜きにして」と書いたが、それほど本格としてひどいレベルでもなく、仕掛けは『空のオベリスト』が上だが、雰囲気ではこちらが好みだ。過大な期待さえしなければ、クラシックファンは読んでおいても損はないだろう。
その後、真向かいにあるアップルストアものぞいてみたが、ううインテルマック、いいなぁ。MacBookはまだ置いていなかったが、真剣に購入を検討したくなってきた。
読了本はC・デイリー・キングの『海のオベリスト』。原書の発行順とまったく逆になってしまったが、これでオベリスト三部作もすべて読了。
こんな話。豪華客船メガノート号のサロンでは、1日の航行距離を落札するという恒例のオークションが行われていた。オークションが異様に白熱する中、突然停電が発生。その瞬間、銃声がサロンに鳴り響く。再び明かりが灯されたとき、人々が目にしたのは、銃弾に倒れた資産家のスミス氏と、拳銃を手にして立つ、オークションでスミス氏と競り合った男だった。男は犯人として取り押さえられるものの、次々に意外な事実が明るみに出て事件は混迷を極め、ついには客船に乗り合わせた4人の心理学者による推理合戦へと発展する。
出来はこの際抜きにして、ヴィンテージの味わいが十分に楽しめる作品である。客船という限られた空間。心理学を応用する推理合戦。連続するどんでん返し。意外な犯人。意外な探偵。おまけに手がかり索引まで付いた日には、さぞや作者も楽しんで書いたであろうことがうかがえる。
また、「出来はこの際抜きにして」と書いたが、それほど本格としてひどいレベルでもなく、仕掛けは『空のオベリスト』が上だが、雰囲気ではこちらが好みだ。過大な期待さえしなければ、クラシックファンは読んでおいても損はないだろう。
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