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ダグラス・ケネディ『売り込み』(新潮文庫)
体調、すこぶる悪く、どこがどうというわけでもないが、朝がとにかく駄目。肩がズシィィィィッと重く、まったく起きられない。先週に無理をしたツケだとはわかっているが、なかなか回復できないところが歳なんでしょう。
『売り込み』を読む。
著者のダグラス・ケネディは『ビッグ・ピクチャー』『どんづまり』といった作品で、ひと頃人気を集めた作家だが、その秘密は波瀾万丈のストーリーにあるだろう。
ただし波瀾万丈といっても、そこには一定のパターンがある。どこにでもいる平凡な人間が、ある日突然にビッグチャンスを掴み、一気に成功者としての幸福を手に入れるが、そこから一転して地獄の底へ転落するというものだ。
成功する過程からきっちり描かれているだけに、その落差がとにかく強烈。いわゆるドツボにはまるというやつである。もちろん最後は主人公がそこからどう這い上がるのか、というクライマックスがやってくるのだが、この点もしっかりオチをつけるだけに、なかなか達者な作家、という印象があった。
ただ、本当にストーリーありきな作品ばかりで、ハリウッドのご都合主義映画をそのまま活字にしたようなところが弱点でもある。エンターテインメントとしては悪くないが、もう少しコクがあれば、というのがいつもの感想。
『売り込み』はシナリオライターをめざす男の成功と転落を描いた物語だが、これまでの作品同様、上で書いたことがほぼそのまま当てはまる。ラストの逆転劇がそれほど鮮やかでない分、これまでの作品よりは落ちるだろう。初めて読む人ならそこそこ楽しめるとは思うが、管理人的にはちょっと飽きてきた感は否めない。
ただ、『幸福と報復』(未読)という作品だけは、ちょっと路線が違うらしいので、それだけは読んでみるつもり。
『売り込み』を読む。
著者のダグラス・ケネディは『ビッグ・ピクチャー』『どんづまり』といった作品で、ひと頃人気を集めた作家だが、その秘密は波瀾万丈のストーリーにあるだろう。
ただし波瀾万丈といっても、そこには一定のパターンがある。どこにでもいる平凡な人間が、ある日突然にビッグチャンスを掴み、一気に成功者としての幸福を手に入れるが、そこから一転して地獄の底へ転落するというものだ。
成功する過程からきっちり描かれているだけに、その落差がとにかく強烈。いわゆるドツボにはまるというやつである。もちろん最後は主人公がそこからどう這い上がるのか、というクライマックスがやってくるのだが、この点もしっかりオチをつけるだけに、なかなか達者な作家、という印象があった。
ただ、本当にストーリーありきな作品ばかりで、ハリウッドのご都合主義映画をそのまま活字にしたようなところが弱点でもある。エンターテインメントとしては悪くないが、もう少しコクがあれば、というのがいつもの感想。
『売り込み』はシナリオライターをめざす男の成功と転落を描いた物語だが、これまでの作品同様、上で書いたことがほぼそのまま当てはまる。ラストの逆転劇がそれほど鮮やかでない分、これまでの作品よりは落ちるだろう。初めて読む人ならそこそこ楽しめるとは思うが、管理人的にはちょっと飽きてきた感は否めない。
ただ、『幸福と報復』(未読)という作品だけは、ちょっと路線が違うらしいので、それだけは読んでみるつもり。