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 立川のシネマシティで映画『ドクター・ストレンジ』(監督:スコット・デリクソン)を鑑賞。ベネディクト・カンバーバッチが主演ということ、マーベルのアメコミが原作ということは知っていたが、そのほかの知識はまったくなく、決め手は単純にテレビの予告編のCMである。高層ビルや街がねじれる映像がけっこうなインパクトだったので、単純に興味を持ってしまった次第。

 こんな話である。
 スティーヴン・ストレンジは数々の脳外科手術を成功させてきた天才外科医。しかし、その能力の高さゆえ慢心し、傲慢な性格であった。
 ある日のこと、スティーヴンは車の運転中に大事故を起こし、両手に大きな障害を負ってしまう。様々な治療や手術を試すも機能は戻らず、それは外科医生命の終わりを意味していた。
 捨て鉢になるスティーヴンだが、あるときチベットにどんな傷も治せる師がいるという話を聞き、藁にもすがる思いでチベットのカマー・タージへと向かった……。

 ドクター・ストレンジ

 マーベル作品に詳しいわけではないので全然知らなかったが、中にはこういう東洋系、魔術師系のパワーをもったヒーローもいるのだね。
 ただ、キャラクターとしては異色で面白そうなのだが、こういう東洋系や魔術師系タイプをネタにした作品は、映画でも小説でもだいたいが観念的なストーリーや闘いになってしまって、ラストはぐだぐだということも多い。まるでドラッグ中毒者の幻覚でも見るような映像でごまかされるというか、いつのまにか主人公が覚醒していたり、敵を倒していたりというパターンね。
 本作もそういう意味ではほぼほぼ予想どおり。主人公が魔術を取得するあたりまでは悪くないが、後半は厳しい。まあ、いろいろな要素が理詰めで構築されるのではなく、そういうことになっているという前提だけで物語が進むから、やはりストーリーに対する期待感は見ていてもまったく湧き上がってこない。

 それを救っているのが、やはり映像だろう。もはや現代のCG技術で再現できない映像などないのだろうから、あとはセンスや着想の勝負。
 その点、本作は十分合格点である。高層ビルや町並みを捻ってみせたり、重力の向きが変わる中でのアクションはスピィーディで迫力あり。
 また、ラストの時間が巻き戻る中、つまりフィルムの逆回し状態だが、その時間が戻るなかで自分たちだけは順回しで戦っているというのは、ありそうでなかったパターン。別の次元とかではなく、同時に干渉しあっている状況がすごいのである。映像技術としてはそれほど難しくないのかもしれないが、これはアイディアの勝利だろう。

 ベネディクト・カンバーバッチは『SHERLOCK』以後、すっかり俺様キャラや天才役が嵌っているが、本作でもそれは健在。旬な役者さんをこういう映画に起用してしまうディズニーもすごいが、受けるカンバーバッチもえらいものだ。
 ほかのキャストで気になったのは、師匠のエンシェント・ワンを演じたティルダ・スィントンか。途中から脳内で三蔵法師に変換されて困ったが(苦笑)、あのクールでインテリジェンスな雰囲気はいいよなぁ。

 というわけで、いいところ悪いところいろいろと挙げてはみたが、トータルでは60点、まずまずというところか。ラストの決着も含めてもう少し爽快感はほしいかな。

 ちなみに続編を匂わすようなエピソードがエンドロール後にあるのは珍しくもないが、今回、ふたつもあったのには驚いた。ひとつはマイティ・ソ−・シリーズ、もうひとつは正当な続編っぽいが、ネットで調べるとアベンジャーズにもつながるようで、ううむ、まったく商魂たくましいですのぉ。さすがだわ。





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