- Date: Sun 10 12 2017
- Category: 評論・エッセイ 『このミステリーがすごい!』編集部
- Community: テーマ "推理小説・ミステリー" ジャンル "本・雑誌"
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『このミステリーがすごい!』編集部/編『このミステリーがすごい!2018年版』(宝島社)
今年も早いもので、もう年末の各種ミステリベストテンがほぼほぼ発表されたようだ。
だいたいいつもは講談社の『IN★POCKET』が「文庫翻訳ミステリー・ベスト10」で先陣を切り、続いて『ミステリマガジン』の「ミステリが読みたい!」、『2018本格ミステリ・ベスト10』、『週刊文春』の「ミステリーベスト10」あたりが雪崩れ込んできて、ラストを『このミステリーがすごい!』が締めるという感じだろう。
このなかで個人的にチェックしているのは、「ミステリが読みたい!」、「ミステリーベスト10」、『このミステリーがすごい!』ぐらいか。
講談社の「文庫翻訳ミステリー・ベスト10」は露骨な自社本推しに嫌気がさして読むのを止め、『2018本格ミステリ・ベスト10』はジャンルの狭さが好みではないこともあって読んでいない。

で、昨日は『このミステリーがすごい!2018年版』をようやく買ってパラパラと眺めていたのだが、まず目を惹いたのは30周年記念企画として「誕生号」を丸ごと巻頭に収録していること。今読むと実にコンパクトなものだが、『週刊文春』の「ミステリーベスト10」しかなかった当時としては、これでも十分なインパクトと情報量だった。一時期は内容的にも先鋭化したものだったが、最近では他ランキングとそれほど差別化もできておらず、マンネリ化は避けられないようだ。
本書の「誕生号を丸ごと収録」にしても、インパクトは多少はあれども企画としては安易この上ないし、そのほか力の入っているのは作家らによる座談会や対談ばかりで、まあ、これは内容としては面白く読めたのだけれど(綾辻×宮部とか、新人作家7人とか)、企画や独自性というほどのものでもない。編集部も集計やら原稿収集の手間やらでけっこう大変だとは思うが、もう少し頑張ってもらいたいものだ。
肝心のランキングにも少し触れておくと(例によって本ブログでは海外編のみ)、 どうやら今年は『フロスト始末』と『13・67』の一騎打ちの様相を見せており、ここに『湖畔荘』と『東の果て、夜へ』がどこまで絡むかといったところが基本的構図のようだ。
ということで、このミスの結果も先行したランキング本とそれほど変わらない結果で面白みは少ない。ライバルであるべき『週刊文春』の「ミステリーベスト10」とはベストテンのうち六作がかぶるのはまあ仕方ないにしても、上位四作の顔ぶれがまったく同じなのはいかがなものか。昨年もこういう状況に少し文句を垂れたのだけれど、このままではほんと意味ないよなぁ。
だいたいいつもは講談社の『IN★POCKET』が「文庫翻訳ミステリー・ベスト10」で先陣を切り、続いて『ミステリマガジン』の「ミステリが読みたい!」、『2018本格ミステリ・ベスト10』、『週刊文春』の「ミステリーベスト10」あたりが雪崩れ込んできて、ラストを『このミステリーがすごい!』が締めるという感じだろう。
このなかで個人的にチェックしているのは、「ミステリが読みたい!」、「ミステリーベスト10」、『このミステリーがすごい!』ぐらいか。
講談社の「文庫翻訳ミステリー・ベスト10」は露骨な自社本推しに嫌気がさして読むのを止め、『2018本格ミステリ・ベスト10』はジャンルの狭さが好みではないこともあって読んでいない。

で、昨日は『このミステリーがすごい!2018年版』をようやく買ってパラパラと眺めていたのだが、まず目を惹いたのは30周年記念企画として「誕生号」を丸ごと巻頭に収録していること。今読むと実にコンパクトなものだが、『週刊文春』の「ミステリーベスト10」しかなかった当時としては、これでも十分なインパクトと情報量だった。一時期は内容的にも先鋭化したものだったが、最近では他ランキングとそれほど差別化もできておらず、マンネリ化は避けられないようだ。
本書の「誕生号を丸ごと収録」にしても、インパクトは多少はあれども企画としては安易この上ないし、そのほか力の入っているのは作家らによる座談会や対談ばかりで、まあ、これは内容としては面白く読めたのだけれど(綾辻×宮部とか、新人作家7人とか)、企画や独自性というほどのものでもない。編集部も集計やら原稿収集の手間やらでけっこう大変だとは思うが、もう少し頑張ってもらいたいものだ。
肝心のランキングにも少し触れておくと(例によって本ブログでは海外編のみ)、 どうやら今年は『フロスト始末』と『13・67』の一騎打ちの様相を見せており、ここに『湖畔荘』と『東の果て、夜へ』がどこまで絡むかといったところが基本的構図のようだ。
ということで、このミスの結果も先行したランキング本とそれほど変わらない結果で面白みは少ない。ライバルであるべき『週刊文春』の「ミステリーベスト10」とはベストテンのうち六作がかぶるのはまあ仕方ないにしても、上位四作の顔ぶれがまったく同じなのはいかがなものか。昨年もこういう状況に少し文句を垂れたのだけれど、このままではほんと意味ないよなぁ。
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そうですね。書評家の皆さんも血気盛んで、悪ノリも多かったですが、自分たちの好きなミステリを少しでも広めようという気概みたいなものが感じられましたね。