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 このところ江戸川乱歩関連の出版が相次いでいるようで。2015年が乱歩没後50年ということでいろいろな企画が行われたが、その後も勢いは衰えず、ずっと乱歩ブームが続いているような印象である。
 最近の出版で目につくところでは、ビジュアル本の『怪人 江戸川乱歩のコレクション』をはじめ、岩波文庫の短編集、集英社から出た評論『江戸川乱歩と横溝正史』、変わったところでは集英社文庫の「明智小五郎事件簿」の編者としても知られる平山雄一氏が書いた『明智小五郎回顧談』なんていうのもある。それらもすべて買っているので、これからぼちぼち消化していこうとは思っているのだが、とりあえず本日は新潮社〈とんぼの本〉『怪人 江戸川乱歩のコレクション』を読んでみた。

 怪人江戸川乱歩のコレクション

 さて、その内容だが、〈とんぼの本〉という性質もあって、基本はビジュアルメインであり入門書的な一冊。乱歩が残した数々の“モノ”を写真で紹介しつつ、そこから乱歩のもつ特殊な嗜好や人物像を感じとってもらって、さらには著書に興味をもってもらえればという乱歩入門ガイドである。

 アプローチとしては面白いのだが、正直、乱歩入門者向けというよりは、これはマニア向けだろう。乱歩の作品にのめりこんだあまり、乱歩の愛した“モノ”にまで興味をもってしまった人、あるいは市井の乱歩研究者、そのぐらいの人でなければ、普通はこんな本は楽しめない(苦笑)。
 ただ、マニア向けとするなら、今度はテキスト面(掲載写真の解説)での不満が残る。乱歩の生涯とかも掲載されているが、ほんと申し訳程度のレベルである。また、巻末の近藤ようこ氏による漫画「お勢登場」も作品としては別に悪くないのだが、ページ数の調整で入れた感が無きにしも非ず。

 結局、初心者向けなのかマニア向けなのか、編集方針がはっきり打ち出されておらず、それが本づくりにも悪影響を与えたような一冊であった。


テーマ:評論集 - ジャンル:本・雑誌




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