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 本日は先週末に観た映画『パシフィック・リム: アップライジング』の感想など。本作は言うまでもなく巨大ロボットと怪獣の対決を描いた『パシフィック・リム』の続編だが、監督はギレルモ・デル・トロからスティーヴン・S・デナイトにバトンタッチ。その影響は果たしてどうか、というのが注目ポイントである。

 こんな話。
 ときは西暦2035年。異世界から次元の裂け目を通して現れた怪獣が、人型巨大兵器「イェーガー」の活躍で絶滅してからはや十年。世界は平和を取り戻したが、怪獣が再来する可能性も捨てきれず、PPDC(環太平洋防衛軍)は次世代のイェーガーを開発し、若いパイロットたちを育成していた。十年前の戦いで戦死した英雄ペントコスト司令官の息子ジェイクもまた優秀なパイロットとなるはずだったが、ある理由から軍を除隊、今ではイェーガーの廃品を違法転売する悪事に手を染めていた。
 そんなある日、ジェイクは自前でイェーガーを作る(これもまた違法行為)孤児の少女アマーラと知り合い、二人とも軍に逮捕されてしまう。しかし、PPCD事務総長を務めるジェイクの姉マコの恩情もあり、二人は無罪放免と引き換えに、パイロット教官と訓練生としてPPDC入隊を命じられる。
 時を同じくして、中国のシャオ産業が無人イェーガーの売り込みを図っていた。PPCDは無人イェーガーを採用すべきかどうか、シドニーの会議で決定することになっていたが、そのとき所属不明の漆黒のイェーガーが現れて会場を襲撃する……。

 パシフィック・リム:アップライジング

 ううむ。とかくヒットシリーズの第二作にはハードルが上がってしまうものだが、いや、やはり前作に比べると大きく落ちる。
 なんせ前作では、生粋のオタクでもあるギレルモ・デル・トロ監督が、日本のロボットものや怪獣ものの定石あるいは演出を巧みに取り込んだところが非常によかったのだ。いわゆるアメコミをベースにした特撮映画とは、そこで一線を画していた。もちろん人間ドラマが安っぽいとかいうところはあるけれど、この映画にそんなものが必要かという話である。人間ドラマは軽いが、戦闘シーンの実にヘビーなこと。
 本作ではそういう前作のエッセンスが薄められているのがとにかく残念だ。戦闘におけるディテールはやけにあっさりしているし、イェーガーもスタイリッシュになりすぎて、肝心の重量感や怖さがなくなってしまった。また、画像も変に明るくて、なんだか『トランスフォーマー』を観ているような気になってしまうのだ。 
 デナイト監督はギレルモ・デル・トロ監督からせっかく素敵なオモチャをプレゼントしてもらったのに、その遊び方をどうやら間違えてしまったようだ。

 ただ、単なるハリウッド製の特撮ロボット映画としてみれば、実はそれほど悪くはない。いや、上にあげた日本のオタク的こだわりを捨てると、これはむしろよくできているといっていいかもしれない。
 特にストーリーにはちょっと感心した。
 世界の危機が去って全体的には少々緩みの出ている状況。しかし、依然として危機感をもつ人々もおり、それなりに防衛体制は整えている。加えて怪獣やイェーガーでひと儲けを企む人々もそれなりにいるという世界観が、けっこう説得力や納得感がある。
 そこに訪れる危機というのが、これまた人的なものかと思わせておいて実は……というのが非常に巧く、最終的に人類が一致団結する展開もスムーズで悪くない。最初に出てくる敵が謎のイェーガーだったり、暴走する量産型イェーガーが登場したりと、意外に先を見せない展開もよろしい。

 ということで、どういう観点で観るかでずいぶん評価が変わってしまうのだけれど、個人的にはもう少しシリーズを続けてほしい(せめてゴジラとの共演まで)ので、今回はギリギリ合格点ということにしておこう。




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