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 本日は先週に見た映画の感想など。ものは『プーと大人になった僕』。
 ミステリファンには『赤い館の秘密』でおなじみのA・A・ミルンだが、世間的にはもちろん児童小説『クマのプーさん』の原作者としてよく知られているところだろう。本作はその『クマのプーさん』の後日談的内容のファンタジー映画である。
 ちなみに監督はあの異色ゾンビ映画『ワールド・ウォーZ』の監督も務めたマーク・フォースターである。

 こんな話。100エーカーの森でプーやその仲間たちと楽しい日々を過ごしていた少年クリストファー・ロビンは、ロンドンの私立寄宿学校に入学するため、みんなと別れることになった。
 やがて大人になり、結婚、戦争などの体験を経て、今では妻と娘とともに暮らすロビン。だが、ロビンはいつしか子供の頃の想像力を失い、プーたちのことも忘れ、仕事一辺倒の人間になっていた。
 そんなある日、ロビンは業績不振にあえぐ会社からリストラの担当者に指名される。人件費を他の経費でまかなえればよし、さもなくば従業員の二割を減らさざるを得ない。ロビンは月曜の会議に間に合わせるため、週末の家族旅行をキャンセルし、改善提案書を作成することになるが、妻と娘は怒ったまま二人で旅行へ出発する。
 その頃、100エーカーの森では、プーがいつの間にか森から消え失せた仲間たちを探していた。そしてある大木の穴へ潜り込んだプーは、なぜかロンドンに現れ、ロビンと再会するのだが……。

 プーと大人になった僕

 この映画のテーマは非常にシンプル。
 人が人として幸せに生きるために、本当に大事なことは何なのか、プーはロビンだけでなく観る者すべてに問いかけてくれるのである。

 家族と仕事とどっちが大事なのか?
 生活するためには家族を犠牲にすることも必要なのか?
 将来を楽しくするために、いま本当にそんな苦しくていいのか?
 人生を豊かにするために働いているのに、なぜ実際には人生が豊かにならないのか?
 すべて人生は効率的、建設的である必要があるのか?
 なぜ君は君なのに、大人になったら変わったと思ってしまうのか?

 まあ、こういうのはみな嫌になるほど実感していることで、何が大切なのかも実はみなわかっている。それでも現実はそんなに簡単にはいかない。制作者も観客もみーんなわかっちゃいるのだが、それでもねえ。
 だからプーという存在があらためて教えてくれるのである。

 プーの無邪気な言葉の端々に含まれる真理。
 ロビンも実はわかっている。だから、かえってそれが癪に障り、だんだんイライラしてくる。でも、それでもプーやその仲間たちと接しているうちに、少しずつその頑なさ、諦めの境地みたいなものがほぐれてきて、本当の幸せに踏み出していく。
 いや、まったくもってお約束のストーリーなのだけれど、実に心に染みてくる。名台詞もバンバン出てきて、テーマ云々より、この映画こそが癒やしであり、実に素敵な時間を過ごすことができた。満足。

 なお、プーを知らない人のために補足しておくと、プーはクマではなく、あくまでクマのぬいぐるみである。そのリアルぬいぐるみの温かみや動きを再現しているCGも本作の見どころのひとつだろう。
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