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探偵小説三昧

日々,探偵小説を読みまくり、その感想を書き散らかすブログ


ジェフリー・ハウスホールド『人質はロンドン!』(角川書店)

 近頃、パソコンの調子がまた悪くなってきた。やたらと起動に時間がかかり、いくつかのアプリケーションもなかなか立ち上がってくれない。もしかしたらハードディスクドライブに原因があるのかもしれないが、今年はいい加減パソコンに金を取られすぎているので、これ以上は勘弁してもらいたい。今のところだましだましだ使っているが、年末にぶっ壊れたりした日には目もあてられんなぁ。

 読了本はジェフリー・ハウスホールドの『人質はロンドン!』。『追われる男』『影の監視者』と、これで邦訳されたものは全部読んだはずだが、今回のが一番だめだった。
 主人公は元大学の講師というテロリスト。世界をよりよいものにしたいという理想に燃えるあまり、ある事件をきっかけに自分という存在を消し、テロの道に入った男だ。しかし、所属する組織が核爆弾を用いて政府を脅迫し始めたことで変心。革命のためとはいえ、無差別大量殺人を許すことはできず、組織を相手に戦いを始める。
 なかなか魅力的な設定で、展開も悪くないのだが、文体がいただけない。本作は全編主人公の日記形式で語られるのだが、元講師という部分を強調したいせいか、妙にくどくて理屈っぽいのである。格別難しい表現とかはないけれど、もったいぶった表現というか。それが延々と地の文で読まされるため、とにかく読みにくくてしようがない。『影の監視者』でも主人公の語りがけっこううざく感じたところもあったので、これはハウスホールドの癖なのかもしれない。もちろん原文だけではなく、訳文のせいもあるとは思うが。

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sugata

Author:sugata
ミステリならなんでも好物。特に翻訳ミステリと国内外問わずクラシック全般。
四半世紀勤めていた書籍・WEB等の制作会社を辞め、2021年よりフリーランスの編集者&ライターとしてぼちぼち活動中。

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