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探偵小説三昧

日々,探偵小説を読みまくり、その感想を書き散らかすブログ


エラリー・クイーン『ミステリの女王の冒険』(論創海外ミステリ)

 エラリー・クイーンの『ミステリの女王の冒険』を読む。1970年代にアメリカで放映されたテレビドラマ『エラリー・クイーン』のシナリオ傑作選であり、『刑事コロンボ』で知られるリンク&レヴィンソンが制作総指揮を務めている。残念なことに商業的にはコロンボのような成功を収めなかったものの、そのクオリティはファンや専門家の間で高く評価されたという。

 ミステリの女王の冒険

The Adventure of the 12th Floor Express「十二階特急の冒険」
The Adventure of the Chinese Dog「黄金のこま犬の冒険」
The Adventure of the Mad Tea Party「奇妙なお茶会の冒険」
The Adventure of the Wary Witness「慎重な証人の冒険」
The Adventure of the Grand Old Lady「ミステリの女王の冒険」

 収録作は以上。
 最近読んだクイーンのラジオドラマ集『ナポレオンの剃刀の冒険』や『死せる案山子の冒険』に比べると、本書のテレビドラマ集は放送時間が長いこともあってか、かなりしっかりした作りである。ボリュームも中編レベルで、内容も複雑。放映時間は一時間だったらしいが、これでよくその中に収まったものだと思えるほどだ。
 もちろんボリュームがあっても質が低ければ意味はないが、本書はその点でも十分に及第点。ラジオドラマのようなキレには欠けるが、本書ではドラマとしての面白さがある。

 ただ、ラジオドラマ集と違って、こちらはクイーンが直接手掛けたものではなく、あくまで名義貸しや作品提供に近い。それでもこれだけの水準に仕上がったのは、リンク&レヴィンソンがしっかりしたミステリマインドの持ち主だったこと、そしてクイーンの成功したラジオドラマをかなり参考にしたことが大きいだろう。まあ、本書はクイーンとリンク&レヴィンソンの合作みたいなものだから、成功しようがしまいが、ファンならこれは読むしかないんだけどね。
 なお、作品そのものとは関係ないが、本書は解説も恐ろしいほど充実していて、正直、その部分だけでも買いである。

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sugata

Author:sugata
ミステリならなんでも好物。特に翻訳ミステリと国内外問わずクラシック全般。
四半世紀勤めていた書籍・WEB等の制作会社を辞め、2021年よりフリーランスの編集者&ライターとしてぼちぼち活動中。

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