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エドガー・ウォーレス『正義の四人の法律 第一話 クラファムに住んだ男』(湘南探偵倶楽部)
エドガー・ウォーレスの短編『正義の四人の法律 第一話 クラファムに住んだ男』を読む。原作は1921年の『正義の四人の法律』という短編集で、本書はおそらく1931年に改造社から刊行された『世界大衆文学全集77「正義の人々」』の中から一作を選んで復刻したもの。

「正義の四人」シリーズは以前に「GemCollection」の『正義の四人/ロンドン大包囲網』で読んだことがあるが、これは早い話がイギリス版“必殺仕事人”。法律では裁けない悪人に死の鉄槌を下す四人の男たちの物語である。
本作では、婦人が若い頃に書いた手紙をネタにして恐喝した男がターゲット。ストレートに暴力でカタをつけるのではなく、策略によって陥れるという展開は悪くないのだが、策略そのものに無理があるうえ、最後は正義の四人側も恐喝紛いになってしまうので(苦笑)、それほど感心するような話ではない。
この手の話は必殺仕事人などを例に挙げるまでもなく、被害者のストーリーと悪人を裁くストーリー、この両方にそれなりのボリュームと説得力がないと物語としてはつまらない。本作は短編、しかも抄訳のようなので、この出来も致し方ないところか。

「正義の四人」シリーズは以前に「GemCollection」の『正義の四人/ロンドン大包囲網』で読んだことがあるが、これは早い話がイギリス版“必殺仕事人”。法律では裁けない悪人に死の鉄槌を下す四人の男たちの物語である。
本作では、婦人が若い頃に書いた手紙をネタにして恐喝した男がターゲット。ストレートに暴力でカタをつけるのではなく、策略によって陥れるという展開は悪くないのだが、策略そのものに無理があるうえ、最後は正義の四人側も恐喝紛いになってしまうので(苦笑)、それほど感心するような話ではない。
この手の話は必殺仕事人などを例に挙げるまでもなく、被害者のストーリーと悪人を裁くストーリー、この両方にそれなりのボリュームと説得力がないと物語としてはつまらない。本作は短編、しかも抄訳のようなので、この出来も致し方ないところか。
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