- Date: Tue 22 12 2020
- Category: 海外作家 ウィッティング(クリフォード)
- Community: テーマ "推理小説・ミステリー" ジャンル "本・雑誌"
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クリフォード・ウィッティング『知られたくなかった男』の解説を書かせていただきました
Twitterではすでに呟いているが、こちらでも少し宣伝。
12月10日発売の論創海外ミステリ261巻、クリフォード・ウィッティングの『知られたくなかった男』で、解説を書かせていただいた。
で、これがお世辞抜きでいい作品なのである。

クリスマスの夜、英国の小さな町で起こったある男の失踪事件。男は募金集めのために行われていたキャロリングに参加していたため、募金泥棒と疑う者までいる始末。やがて付近の井戸から死体が発見されるが……。
英国のクラシックミステリらしい魅力に溢れた作品。序盤のキャロリングシーンから雰囲気満点で、そこから失踪事件、殺人事件、アマチュア探偵の捜査という流れはまさに王道。程よいユーモアも心地よく、ラストで明かされる意外な真相に到るまで、丁寧に作り込まれた印象である。
切ない余韻も相まって、クリスマスには絶好の一冊。ぜひこのクリスマスにおすすめしたい。
ちなみに著者のクリフォード・ウィッティングには他にも代表作と言われる作品があるので、まだまだ続刊を期待したいところ。『知られたくなかった男』の主人公格・ラサフォードが初登場するチャールトン警部シリーズ第一作『Murder in Blue』が個人的には特に気になっていて、出来自体は少し落ちるようだが、書店を経営するラサフォードとミステリマニアの店員のやりとりがかなり面白いらしい。
12月10日発売の論創海外ミステリ261巻、クリフォード・ウィッティングの『知られたくなかった男』で、解説を書かせていただいた。
で、これがお世辞抜きでいい作品なのである。

クリスマスの夜、英国の小さな町で起こったある男の失踪事件。男は募金集めのために行われていたキャロリングに参加していたため、募金泥棒と疑う者までいる始末。やがて付近の井戸から死体が発見されるが……。
英国のクラシックミステリらしい魅力に溢れた作品。序盤のキャロリングシーンから雰囲気満点で、そこから失踪事件、殺人事件、アマチュア探偵の捜査という流れはまさに王道。程よいユーモアも心地よく、ラストで明かされる意外な真相に到るまで、丁寧に作り込まれた印象である。
切ない余韻も相まって、クリスマスには絶好の一冊。ぜひこのクリスマスにおすすめしたい。
ちなみに著者のクリフォード・ウィッティングには他にも代表作と言われる作品があるので、まだまだ続刊を期待したいところ。『知られたくなかった男』の主人公格・ラサフォードが初登場するチャールトン警部シリーズ第一作『Murder in Blue』が個人的には特に気になっていて、出来自体は少し落ちるようだが、書店を経営するラサフォードとミステリマニアの店員のやりとりがかなり面白いらしい。
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感想ありがとうござます。いや、なかなかいい作家だと思いますよ。
解説でも書いたように、私は後半がやや中弛みに感じたのですが、それはあくまで謎解き小説としてであり、ストーリーとしては楽しく読ませてくれる部分だと思います。
『同窓会にて死す』もそうでしたが、オーソドックスなミステリながら、その中でどうやればラストで意外性が出せるか、黄金時代のミステリをしっかり咀嚼した上で研究している節がうかがえ、その点もポイントが高いです。しかも会話やストーリー作りもけっこう上手い。
さすがにレオ・ブルースに比べると分は悪いでしょうが、客観的に見ても全作紹介していいぐらいの実力はありそうですし、論創海外ミステリの中では間違いなく優良作家ですね。
ちなみに解説を書くということで地名については最初にいろいろ調べました(笑)。すると実在の地名も多いけれど、主人公たちが活動しているあたりは架空の地名ばかりなんですね。個人的にはそこが気になったので、一応、解説で触れておいた方が良いかなと思った次第です。