- Date: Wed 30 12 2020
- Category: 評論・エッセイ 新保博久
- Community: テーマ "評論集" ジャンル "本・雑誌"
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新保博久『シンポ教授の生活とミステリー』(光文社文庫)
ミステリのガイドブックが好きだという話は何度か書いているのだが、なかでもミステリ評論家や書評家が単独で書いているエッセイやガイドブックは好物だ。複数の執筆者によるガイドブックと違い、すべての評価が著者一人の物差しによるものなので、基準が掴みやすくてよいのである。
もちろん著者によってはけっこうなバイアスがかかっていたりするので、著者のスタンスをしっかり踏まえることは大前提だけれども、それも含めて楽しめるのがよいところだ。
ただ、残念なことに意外と評論家や書評家の著書は多くない。特にエッセイの類は相当のネームバリューがないとやはり難しいのだろう。

という状況にあって、今年、久々にミステリ評論家のエッセイが出た。新保博久の『シンポ教授の生活とミステリー』である。帯には“ブックガイド”と銘打っているが、実質は著者の半生記(とまではいかないけれど)と、その時々のミステリ業界裏話を中心に編まれており、なかなか楽しい一冊であった。
考えるとミステリの書評家や評論家の方々は多数いらっしゃるが、正直よくわからない存在である(苦笑)。なろうと思ってもなかなかなれる商売でもないし、日々、どういうペースで仕事をしているのかも素人にはよくわからない。
本書の著者、シンポ教授こと新保博久氏もそんな方の一人で、『日本ミステリー事典』や『日本探偵小説事典』などを監修するぐらいだから相当の知識を有することぐらいはわかるけれども、逆にいうとそれぐらいしかわからない。今でこそ書評に自分語りを入れたりする書評家も増えてきたし、インターネットで自ら発信する方も増えたが、一昔前から活躍している方々はそれこそ雑誌や新聞の書評欄の署名でしか知ることがなかったのだ。
だから個人的には、本書のミステリに関する情報も参考にはなるが、むしろシンポ教授のこれまでがいろいろ読めて楽しい一冊であった。
もちろん著者によってはけっこうなバイアスがかかっていたりするので、著者のスタンスをしっかり踏まえることは大前提だけれども、それも含めて楽しめるのがよいところだ。
ただ、残念なことに意外と評論家や書評家の著書は多くない。特にエッセイの類は相当のネームバリューがないとやはり難しいのだろう。

という状況にあって、今年、久々にミステリ評論家のエッセイが出た。新保博久の『シンポ教授の生活とミステリー』である。帯には“ブックガイド”と銘打っているが、実質は著者の半生記(とまではいかないけれど)と、その時々のミステリ業界裏話を中心に編まれており、なかなか楽しい一冊であった。
考えるとミステリの書評家や評論家の方々は多数いらっしゃるが、正直よくわからない存在である(苦笑)。なろうと思ってもなかなかなれる商売でもないし、日々、どういうペースで仕事をしているのかも素人にはよくわからない。
本書の著者、シンポ教授こと新保博久氏もそんな方の一人で、『日本ミステリー事典』や『日本探偵小説事典』などを監修するぐらいだから相当の知識を有することぐらいはわかるけれども、逆にいうとそれぐらいしかわからない。今でこそ書評に自分語りを入れたりする書評家も増えてきたし、インターネットで自ら発信する方も増えたが、一昔前から活躍している方々はそれこそ雑誌や新聞の書評欄の署名でしか知ることがなかったのだ。
だから個人的には、本書のミステリに関する情報も参考にはなるが、むしろシンポ教授のこれまでがいろいろ読めて楽しい一冊であった。
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