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 湘南探偵倶楽部さん復刻の小冊子、大倉燁子の『バナナの蔭』を読む。十ページほどの掌篇である。

 バナナの蔭

 戦前に多く書かれた諜報ものの一種で、シンガポールに赴任してきた外交官一家の一人娘・雅子が主人公。自宅で催されたある夜の仮面舞踏会で、たまたま暴漢に襲われていた令嬢を助けたところ……という一席。
 令嬢を助けるという前半の展開が、その先への期待をつなげているものの、後半は動きがほぼないままに終わってちょっと残念。まあ、そもそもページ数が少なすぎるわけで、一応、伏線やオチもあるとはいえ、やはりこれは厳しいだろう。

 ところで今回の本も何気なく読んで感想を書いているが、大倉燁子がこうして普通に読めるのは実にありがたいことなのである。版元の湘南探偵倶楽部はもちろんだが、十年ほど前に『大倉燁子探偵小説選』を刊行してくれた論創社にも感謝。
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テーマ:推理小説・ミステリー - ジャンル:本・雑誌




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