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 湘南探偵倶楽部版のレオ・ブルース短編をもう一冊。ビーフ巡査部長ものの『休日のミッション』である。

 休日のミッション

 ビーフがフランス・ノルマンディーで休暇を過ごしていたときのこと。たまたま旧友のレオタール刑事に出会い、捜査に付き合うことになる。
 なんでもノルマンディーの刑務所に赴任してきたばかりの看守長ポインステウが車で崖から墜落したらしい。ポインステウはフランス中の囚人から最も嫌われている看守で、赴任に伴い、この地に引っ越してきたばかり。特に自殺の原因らしきものはなかったものの、現場の状況は自殺を示していた。
 ただ、ひとつだけ奇妙だったのは、彼が官舎から車で出て行った痕跡がないことであった……。

 昨日読んだ『からし菜のお告げ』とは異なり、こちらはトリックをメインに据えた作品。ボリュームは小さいので、ほぼトリック一発勝負という感じである。悪くはないが、さすがに今読むと古さを感じるのは仕方ないところだろう。

 ところで『からし菜のお告げ』同様、本作も端正な本格作品であり、ビーフもいたってまともな人間に描かれているのが興味深い。長篇のような捻くれ方は微塵もなく、名前を伏せられるとビーフものとはとても思えないほどである。ボリュームゆえにそこまで味付けには拘らなかったのか、短篇と長篇で書き分ける狙いがあったのか、それともたまたまそういう作品だったのか?
 気になるところではあるが、噂になっているレオ・ブルースの全短編集が出れば、この辺も明らかになるはずだ。待ち遠しいかぎりである。
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テーマ:推理小説・ミステリー - ジャンル:本・雑誌




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