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探偵小説三昧

日々,探偵小説を読みまくり、その感想を書き散らかすブログ


ロアルド・ダール『ガラスの大エレベーター』(評論社)

 ロアルド・ダールの『ガラスの大エレベーター』を読む。『チョコレート工場の秘密』の続編にあたる作品で、一応は独立した作品だが、やはり『チョコレート工場の秘密』を読んでからのほうが登場人物の理解などによかろう。

 物語は前作のお終いからスタートする。ワンカさんがチャーリーの家族全員を空飛ぶガラスのエレベーターに乗せ、工場へ帰るところだ。ところがエレベーターの操縦を誤って、宇宙に飛び出してしまった……というのが今回のお話。前半は宇宙での冒険、後半は工場に帰ってきての冒険ということで、大きく二部構成なのだが、これがまったく繋がっていないお話で、構成的にはいまいち。工場での冒険も前作のパターンを踏襲しているので、それほど新味はない。正直、『チョコレート工場の秘密』に比べて完成度はかなり落ちるだろう。
 だが、ひとつひとつの場面は相変わらずテンションが高く、このシリーズの最大の魅力はまったく失われていないので、構成がどうとかはあまり気にせず、素直に楽しんだ方がいいのかもしれない。

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sugata

Author:sugata
ミステリならなんでも好物。特に翻訳ミステリと国内外問わずクラシック全般。
四半世紀勤めていた書籍・WEB等の制作会社を辞め、2021年よりフリーランスの編集者&ライターとしてぼちぼち活動中。

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