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探偵小説三昧

天気がいいから今日は探偵小説でも読もうーーある中年編集者が日々探偵小説を読みまくり、その感想を書き散らかすページ。

 

紫金陳『悪童たち(上)』(ハヤカワ文庫)

 ネット上でけっこう評判がよろしいようなので、紫金陳『悪童たち』を手にとってみた。著者は紫金陳(し・きんちん/ズー・ジンチェン)。初めて読む作家だが、これまでに行舟文化から『知能犯之罠』が刊行されており、そちらも持ってはいるのだが長らく積ん読、もたもたしているうちに本書が出てしまった(苦笑)。

 悪童たち(上)

 主人公は内気だが優等生の中学二年生、朱朝陽(ジュー・チャオヤン)。勉強はできるが同級生からは逆恨みされていじめにあい、守ってくれるはずの父親は朱朝陽と母親がいながら別の女と暮らし、二人にはまったく無関心だった。
 そんな朱朝陽のもとへ丁浩(ディン・ハオ)と普普が姿を現した。丁浩は以前、朱朝陽の同級生だったが、親が事件を起こしたために施設へ預けられたのである。しかし、その環境の酷さから丁浩は妹分の普普(ブーブー)を連れて脱走してきたのだった。
 ある日、三人は写真を撮りたいという普普のため、観光地の三名山に出かけるが、そこで殺人が行われる瞬間を写真に捉えてしまう……。

 とりあえず上巻まで読んでみたが、なるほど、ネット上の評判も宜なるかな。ノワールと社会派を合わせたような物語で、本来ならダークな雰囲気で一色になるところを、少年たちの存在がそれを中和させている。ストーリーのテンポの良さが気持ちよく、下巻でこの物語がどう転がるか、これは楽しみである。

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プロフィール

sugata

Author:sugata
ミステリならなんでも好物。特に翻訳ミステリと国内外問わずクラシック全般。
四半世紀勤めていた書籍・WEB等の制作会社を辞め、2021年よりフリーランスの編集者&ライターとしてぼちぼち活動中。

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