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楠田匡介『少年少女探偵冒険小説選 IV』(湘南探偵倶楽部)
ちょっと軽いものを、ということで湘南探偵倶楽部さんがシリーズで出している楠田匡介のジュヴナイル『少年少女探偵冒険小説選 IV』を読む。収録作は以下のとおり。
「幽霊島」
「良夫君の事件簿 IV」
「推理クイズ集」

これで四冊目となる「少年少女探偵冒険小説選」シリーズだが、このシリーズは中篇や長篇を一作メインに据え、脇を推理クイズ集で固めるという構成が多く、本書もその例に漏れない。ただ、メインの「幽霊島」がそれほどボリュームがなく、「良夫君の事件簿 IV」にしてもほとんどが推理クイズのようなものばかりなので、今回はほぼ全編にわたって推理クイズ本のような一冊となっており、読み応えという点では今ひとつか。
「幽霊島」はご存知少年探偵・小松良夫君が登場する一作。短いながらも沼に浮かぶ動く島の秘密、どんなに追い詰められても最後は煙のように消え失せてしまう怪人煙男(けむおとこ)など、ギミックには事欠かない。この謎に立ち向かうのが少年探偵・小松良夫君であり、こちらもお馴染みの田名見警部。
煙男があっけなく敗北したり、その能力の秘密をさらっと明かすのが玉に瑕だが、まあページ数が短いので致し方あるまい。むしろ長い作品で使いたかったであろう各種ギミックを、こういう短い作品でも出し惜しみせずブッこんだ楠田匡介に拍手を送りたい(笑)。
それにしてもこうして楠田匡介のジュヴナイルを長らく読んでいると、その全貌が知りたくなって困る。長篇ならともかく短篇はいくらあるのか見当もつかないし、ましてや推理クイズに至っては。小松良夫君の全集とかどこか企画しないかな(笑)。
「幽霊島」
「良夫君の事件簿 IV」
「推理クイズ集」

これで四冊目となる「少年少女探偵冒険小説選」シリーズだが、このシリーズは中篇や長篇を一作メインに据え、脇を推理クイズ集で固めるという構成が多く、本書もその例に漏れない。ただ、メインの「幽霊島」がそれほどボリュームがなく、「良夫君の事件簿 IV」にしてもほとんどが推理クイズのようなものばかりなので、今回はほぼ全編にわたって推理クイズ本のような一冊となっており、読み応えという点では今ひとつか。
「幽霊島」はご存知少年探偵・小松良夫君が登場する一作。短いながらも沼に浮かぶ動く島の秘密、どんなに追い詰められても最後は煙のように消え失せてしまう怪人煙男(けむおとこ)など、ギミックには事欠かない。この謎に立ち向かうのが少年探偵・小松良夫君であり、こちらもお馴染みの田名見警部。
煙男があっけなく敗北したり、その能力の秘密をさらっと明かすのが玉に瑕だが、まあページ数が短いので致し方あるまい。むしろ長い作品で使いたかったであろう各種ギミックを、こういう短い作品でも出し惜しみせずブッこんだ楠田匡介に拍手を送りたい(笑)。
それにしてもこうして楠田匡介のジュヴナイルを長らく読んでいると、その全貌が知りたくなって困る。長篇ならともかく短篇はいくらあるのか見当もつかないし、ましてや推理クイズに至っては。小松良夫君の全集とかどこか企画しないかな(笑)。
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