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探偵小説三昧

天気がいいから今日は探偵小説でも読もうーーある中年編集者が日々探偵小説を読みまくり、その感想を書き散らかすページ。

 

大河内常平『銀座不連續殺人事件』(湘南探偵倶楽部)

 大河内常平の短編「銀座不連續殺人事件」を読む。湘南探偵倶楽部さん発行の小冊子。

銀座不連纉殺人事件

 銀座で小さな商売をやっている嵯峨根から、相談に乗ってくれと呼び出された毎朝新聞の社会部記者、青木。どうやら地元でみかじめを取られているヤクザから、拳銃を無理に売りつけられて困っているという話だった。だが持っているだけでもトラブルの種だといい、嵯峨根は思い切り良く川に拳銃を投げ捨ててしまう。
 ところが後日、その拳銃を返してくれと再びヤクザが絡んできて嵯峨根は窮地に陥ってしまう。さらには嵯峨野のパトロンが日比谷公園で射殺されてしまい……。

 安手のハードボイルド的設定、文章もそれに応じたタッチなので、正直あまり期待しないで読み始めたが、終盤は意外や意外、しっかりと謎解きを絡めて着地している。まあ、トリック(というほどのものではないけれど)はそれほど大したものではないが、プロットは割とよくできていて最後まで面白く読めた。
 ただ、一つだけ前半でピンとこない記述があって、これは誤植なのか元々そうだったのか知りたいところではある。
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Comments
 
なるほど、そういうことでしたか。
おかげさまでスッキリしました。
どうもありがとうございます。
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プロフィール

sugata

Author:sugata
ミステリならなんでも好物。特に翻訳ミステリと国内外問わずクラシック全般。
四半世紀勤めていた書籍・WEB等の制作会社を辞め、2021年よりフリーランスの編集者&ライターとしてぼちぼち活動中。

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