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探偵小説三昧

日々,探偵小説を読みまくり、その感想を書き散らかすブログ


『別冊太陽 江戸川乱歩 日本探偵小説の父』(平凡社)

 『別冊太陽 』が江戸川乱歩の特集をしているというので、さっそく購入してパラパラと眺めてみる。『別冊太陽 江戸川乱歩 日本探偵小説の父』である。
 そういえば今年は「二銭銅貨」が発表されてから百年、つまり乱歩のデビュー百周年ということでもあるわけで、さらにいうなら日本探偵小説の実質的な夜明けから百年経ったということになる。そう考えると。今年は日本のミステリにとっても実に意義深い年といえるわけだ。
 本書もその絡みで作られたのかもしれないが、せっかくだから業界全体で何か乱歩祭り、日本探偵小説祭りみたいな催し物でも考えても良いのではないだろうか。

 別冊太陽 江戸川乱歩 日本探偵小説の父

 まあ、それはともかく。本書の中身だが、作品ガイドや各種コラム、評伝と定番を揃えた感じ。そこまで目新しい企画はないけれども、大判のビジュアル誌という強みを生かして、イメージ写真や資料写真等を効果的に活用していることが目を引く。また、コラムや作品ガイドについても、お馴染みの研究者はもちろんだが、これまでの乱歩本ではあまり見なかった書き手も目立ち、それぞれが熱の入った原稿を寄せている。
 ぶっちゃけ、もう新しい切り口の乱歩本などそうそう期待できないのだろうが、本書のように丁寧に作ってくれると、予想以上に読み応えがあってやはり楽しいのだ。

 個人的には「乱歩事件マップ」が好みで、できればこれでガッツリ一冊「東京乱歩ガイドマップ」とか作ってくれないものかと思う。休日にはそれを持って、乱歩ゆかりの地をぶらぶら散歩しながら、途中では蕎麦屋あたりで昼酒したりと、そういう一日を過ごしたいものだ。
 ただ、そういう使い方を考える人間にとって、本書の地図は北が右向きになっているのがちと不便である。誌面上、そのほうが大きく見せられるということだと思うのだが、やはり地図は北を上にしてくれたほうが見やすい。そこだけが残念。


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プロフィール

sugata

Author:sugata
ミステリならなんでも好物。特に翻訳ミステリと国内外問わずクラシック全般。
四半世紀勤めていた書籍・WEB等の制作会社を辞め、2021年よりフリーランスの編集者&ライターとしてぼちぼち活動中。

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