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M・R・ラインハート『ジェニー・ブライス事件』(論創海外ミステリ)
パソコン修理の見積がなかなか届かない。いい加減、相方のを借りるのも面倒になってきたので自宅ではパソコンに触れない生活を送るようになってきた。幸か不幸かその分読書の時間がとれるようになってきたので、たまにはこういう時期もあっていいんだろうな。あ、でもテレビゲームをする時間が少し増えてるかも(苦笑)。
快調に刊行が続く(続きすぎ、という話も)論創海外ミステリから『ジェニー・ブライス事件』を読了。HIBK派の大御所にしてアメリカのクリスティとも言われたラインハートの作品。
ピッツバーグで毎年のように街を襲う洪水。その洪水のさなか、ある下宿で殺人事件の疑惑が……というお話。主人公は下宿のおかみさんだが、よくある安下宿のおかみっていうイメージとはかけ離れた、上品な立ち振る舞いの初老の女性である。ラインハートの作品では若いヒロインばかりだと思っていたのだが、こういうパターンもあるのだとちょっと驚く。おまけに今までに読んだ他の作品ほどサスペンス色が強くなく、それどころか本格っぽい香りを漂わせていることも新鮮。
とはいっても、結局は主人公は何もせぬまま、事件の方から解決されにやってくるあたりがHIBK派のHIBK派たる由縁。出だし快調なれども、コクの無さ、キレの無さ、物足りなさはどうしようもない。設定は面白く、ラインハートの作品の中でも異色作だと思うのだが(まあ、数えるほどしか読んでいないんだけど)、ミステリとしては凡庸な出来であろう。
快調に刊行が続く(続きすぎ、という話も)論創海外ミステリから『ジェニー・ブライス事件』を読了。HIBK派の大御所にしてアメリカのクリスティとも言われたラインハートの作品。
ピッツバーグで毎年のように街を襲う洪水。その洪水のさなか、ある下宿で殺人事件の疑惑が……というお話。主人公は下宿のおかみさんだが、よくある安下宿のおかみっていうイメージとはかけ離れた、上品な立ち振る舞いの初老の女性である。ラインハートの作品では若いヒロインばかりだと思っていたのだが、こういうパターンもあるのだとちょっと驚く。おまけに今までに読んだ他の作品ほどサスペンス色が強くなく、それどころか本格っぽい香りを漂わせていることも新鮮。
とはいっても、結局は主人公は何もせぬまま、事件の方から解決されにやってくるあたりがHIBK派のHIBK派たる由縁。出だし快調なれども、コクの無さ、キレの無さ、物足りなさはどうしようもない。設定は面白く、ラインハートの作品の中でも異色作だと思うのだが(まあ、数えるほどしか読んでいないんだけど)、ミステリとしては凡庸な出来であろう。
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