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探偵小説三昧

日々,探偵小説を読みまくり、その感想を書き散らかすブログ


ジャック・フィニイ『夜の冒険者たち』(ハヤカワ文庫)

 ジャック・フィニイといえば、ノスタルジーいっぱいのファンタジー系が有名だが、過去にはけっこう冒険小説っぽいものも多く訳されている。本作は一応、冒険小説寄りだと思うが、全体を覆う雰囲気は前者に近い……ていうか本作はある意味青春小説なのかもしれない。

 フィニイがファンタジーで愛でるのは、過ぎ去った甘い記憶。そして本作で愛の対象となるのは夜である。最初は主人公一人だけによる深夜の散歩が、徐々に仲間を増やし、エスカレートしてゆく様を、楽しくそしてちょっぴり切なくフィニイは描いている。他愛ないといえば他愛ないし、主人公たちの生き方に共感できない部分もあるのだが、フィニイがコレを書いたのは計算上60代半ばのはずで、その歳でこういうファンシーな小説を書けること自体は素直に素晴らしいと思う。
 図書館や高速道路、金門橋など、見せ場も多く、映画にすればなかなか楽しそうな一作。それとももうなってるのかな?

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sugata

Author:sugata
ミステリならなんでも好物。特に翻訳ミステリと国内外問わずクラシック全般。
四半世紀勤めていた書籍・WEB等の制作会社を辞め、2021年よりフリーランスの編集者&ライターとしてぼちぼち活動中。

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