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探偵小説三昧

日々,探偵小説を読みまくり、その感想を書き散らかすブログ


山田風太郎『あと千回の晩飯』(朝日文庫)

 仕事関係で月曜からずっと夜は酒浸り。まあ、家でも毎日晩酌はしているのだが、さすがに外で三日連続はなかなか辛い。特に月曜にいきなり飛ばしたものだから、二日酔いをずっと引きずっている感じだ。明日は小休止しなくては。

 山田風太郎の『あと千回の晩飯』読了。
 「いろいろな徴候から、晩飯を食うのもあと千回くらいなものだろうと思う」という飄々とした、それでいて実に印象的なこの書き出し。著者の数あるエッセイの中でもとりわけ記憶に残っている。
 とりたてて何かについて書いたという文章ではない。一応、死や老いがテーマではあるが、話題は晩飯そのものや仕事、趣味など多岐に渡る。山田風太郎のまったく気負いのない文章が、それぞれの話題を軽妙に語ってゆく。それは死も例外ではない。
 なお、本書は朝日新聞に連載していたエッセイを中心に晩年のエッセイを集めたものだが、大乱歩の葬儀について書かれた日記を再録した文章は実に貴重ではないか。著名な推理作家の人間関係が垣間見えるようだ。

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sugata

Author:sugata
ミステリならなんでも好物。特に翻訳ミステリと国内外問わずクラシック全般。
四半世紀勤めていた書籍・WEB等の制作会社を辞め、2021年よりフリーランスの編集者&ライターとしてぼちぼち活動中。

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