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 ボワロ&ナルスジャックの『青列車は13回停る』読了。
 青列車というのは、日本でいえば新幹線にあたり、パリとマントン間を走るフランスの特急列車の代名詞。停車駅がタイトルどおり13あり、本書はその各地を舞台にした連作短編集なのだ。その趣向といい、13という不吉な数字といい、なんともフランスミステリらしい小粋な仕上がり。そして何より内容もそれに負けていないのが見事である。

Signal d'alarme「非常警報〜パリ」
Premier courier「最後の手紙〜ディジョン」
Marche en main「掌中の取引〜リヨン」
Choc en retour「襲われた帰還〜マルセイユ」
Passe-Passe「奇術〜トゥーロン」
Une balle de trop「余分の弾丸(たま)〜サン・ラファエル」
On ne gagne qu'une fois「人は一度しか勝てない〜カンヌ」
Coup foure「不意打ち〜アンティーブ」
Cabine 11「十一号船室〜ニース」
Le piege「罠〜ボーリュウ」
L'aveu「告白〜モナコ」
Un mari dangereux「危険な夫〜モンテカルロ」
Le fugitif「逃亡者〜マントン」

 収録作は以上。
 基本的にはそのままお洒落な映画にもなりそうな、皮肉なオチの効いた作品が多いが、ときにはフランスお家芸のノワールを彷彿とさせるハードボイルドなものがあったり、O・ヘンリー的な心温まる話があったり、さらには不可能犯罪を扱う本格も混じる。ミステリ評論でも名高いボワロ&ナルスジャックならではの幅の広さで、彼らの実力を再認識できた。繰り返すけれど、ほんとに見事。
 ただ、残念ながら本書はとっくの昔に絶版。せっかくハヤカワ文庫が名作復刊シリーズをやっているのだから、ぜひこのあたりも取り上げてほしいものである。本作は間違いなく復刊に値する傑作短編集。古書店で見かけたらぜひどうぞ。


テーマ:推理小説・ミステリー - ジャンル:本・雑誌



















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