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探偵小説三昧

日々,探偵小説を読みまくり、その感想を書き散らかすブログ


コーネル・ウールリッチ『シンデレラとギャング』(白亜書房)

 白亜書房から出たウールリッチ短編集の第三巻『シンデレラとギャング』読了。
 ウールリッチが長篇を書き始めた頃の作品をまとめたもので、まさに脂の乗り切った時期に書かれたものだ。アベレージはもちろん高いが、勢いで書かれたような作品も見受けられ、やや気になるところもちらほら。特に感じるのは主人公や犯人の行動にご都合主義的な部分が見られるということ。スピード感やサスペンスを第一に考えると、それも仕方ないかなと思われる部分もないではないが、「アリスが消えた」などは少々厳しいか。

 だが全般的には十分楽しめる作品揃いで、サスペンスのパターンはウールリッチが出し尽くしたのではないかと思えるほどだ。とりわけ少女の目から見たギャングの抗争を綴った「シンデレラとギャング」は絶品。ウールリッチは暗い生涯を送った人なのに、なぜこうもイキイキとしたお話しが書けるのか? それが最大の謎である。

The Street of Jungle Death「黒い爪痕」
Through a Dead Man's Eye 「ガラスの目玉」
All at Once, No Alice「アリスが消えた」
I'll Take You Home, Kathleen(別題はOne Last Night/Murder in the Dark Blue Night)「送っていくよ、キャスリーン」
Finger of Doom「階下で待ってて」
Cinderella and the Mob「シンデレラとギャング」
The Drugstore Cowboy「ドラッグストア・カウボーイ」

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sugata

Author:sugata
ミステリならなんでも好物。特に翻訳ミステリと国内外問わずクラシック全般。
四半世紀勤めていた書籍・WEB等の制作会社を辞め、2021年よりフリーランスの編集者&ライターとしてぼちぼち活動中。

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